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2026年7月12日 7:47:31

制度・基礎知識

特定技能ビザ取得に必要な技能評価試験・日本語試験とは?日程や例題も紹介

特定技能ビザを取得するには、原則として、希望する分野の技能評価試験と日本語試験に合格する必要があります。


特定技能は、人手不足が深刻な産業分野で外国人材を受け入れるための在留資格です。そのため、単に日本で働きたいというだけでなく、業務に必要な知識や技能、日本で生活・就労するための日本語力があるかどうかを試験で確認します。


この記事では、特定技能ビザの取得に必要な技能評価試験と日本語試験の概要、試験日程の確認方法、分野別の特徴、例題を通じた対策の進め方をわかりやすく解説します。これから特定技能試験を受ける方や、外国人材の採用を検討している企業担当者は、ぜひ参考にしてください。


特定技能ビザの取得要件


特定技能ビザを申請するには、原則として、一定の試験に合格している必要があります。必要な試験は、特定技能1号と特定技能2号で異なります。


特定技能1号では、希望する分野の技能評価試験に加えて、日本語試験への合格が求められます。技能評価試験では、その分野で働くために必要な知識や技能があるかを確認します。日本語試験では、日本で生活しながら働くために必要な日本語力があるかを確認します。


特定技能2号では、より高い技能水準が求められるため、原則として対象分野の試験に合格する必要があります。特定技能2号は、熟練した技能を持つ人を対象とする在留資格であり、特定技能1号よりも高度な実務能力が重視されます。


試験の合格証明書は、在留資格の申請時に必要となる重要な書類です。必要な試験に合格していない場合、原則として特定技能ビザの申請を進められません。


そのため、特定技能ビザの取得を目指す場合は、自分が希望する分野でどの試験が必要なのか、どの試験日程で受験できるのかを早めに確認しておきましょう。


特定技能1号、2号について、詳しくは以下の記事で解説しています。


特定技能1号とは?対象分野・取得要件・受入条件をわかりやすく解説

特定技能2号とは?対象分野・取得要件・1号との違いをわかりやすく解説


技能実習2号修了者は試験が不要


特定技能ビザと似た制度として「技能実習」があります。技能実習は、外国人が日本で技術や知識を学び、帰国後に母国の経済発展や産業振興に生かすことを目的とした制度です。日本で人材を確保するための特定技能とは、制度の趣旨が異なります。


技能実習は、実習期間や習得する技能の段階に応じて、次の3つに分かれています。


区分

主な内容

技能実習1号

技能実習の1年目です。入国後、一定期間は講習を受け、日本で働くための基礎知識や実習に必要な基本的な内容を学びます。

技能実習2号

技能実習の2〜3年目にあたります。技能実習1号の修了時に所定の試験に合格すると移行でき、より実践的で専門性の高い技能を身に付けます。

技能実習3号

技能実習の4〜5年目にあたります。技能実習2号の修了時に所定の試験に合格した場合に移行でき、さらに高度な技能の習得を目指します。対象となるのは、一定の基準を満たした優良な監理団体などに限られます。


技能実習2号を良好に修了した外国人が特定技能1号へ移行する場合、原則として技能評価試験や日本語試験が免除されます。ここでいう「良好に修了」とは、技能実習計画に沿って実習を行い、技能実習2号を一定期間以上修了している状態を指します。


ただし、技能実習2号を修了していれば、どの分野でも特定技能1号へ移行できるわけではありません。特定技能1号へ移行するには、技能実習2号で従事していた職種や作業内容と、特定技能で希望する分野との間に関連性が認められる必要があります。


そのため、技能実習2号から1号への移行を検討する際は、自分の実習職種が希望する特定技能分野に対応しているかを事前に確認することが大切です。対象外の分野を希望する場合は、試験の免除を受けられず、改めて技能評価試験や日本語試験への合格が必要になることがあります。


特定技能ビザの技能評価試験


技能評価試験とは、外国人が特定技能の対象分野で働くために必要な知識や技能を持っているかを確認する試験です。特定技能1号では、入社後に長期間の研修を受けなくても、一定程度の業務を行える水準が求められます。


仕事内容は分野によって大きく異なるため、技能評価試験も分野ごとに実施されています。たとえば、介護分野であれば介護に関する知識や利用者への対応力、外食業であれば衛生管理や接客、調理に関する知識などが問われます。


実施方法


技能評価試験の実施方法は、分野や試験実施機関によって異なります。試験方式には、主にCBT方式とペーパーテスト方式があります。


CBT方式とは、パソコンなどを使って受験する試験方式です。受験者は試験会場で画面に表示された問題を読み、選択肢を選んで回答します。一方、ペーパーテスト方式では、紙の問題用紙と解答用紙を使って試験を受けます。


また、試験問題は日本語で出題されるものが多いものの、分野によっては外国語で受験できる場合もあります。日本語の問題には、漢字の読み方を補うためにルビが付けられることがあります。対応している言語や出題形式は分野ごとに異なるため、受験前に必ず確認しておきましょう。


受験資格


技能評価試験は、日本国内だけでなく海外でも実施されています。ただし、受験できる条件は、国内で受験する場合と海外で受験する場合で異なります。


日本国内で受験する場合は、原則として17歳以上であることが必要です。ただし、インドネシア国籍の方は18歳以上である必要があります。また、日本に在留資格を持って滞在している外国人が対象となり、短期滞在の在留資格でも受験できる場合があります。


一方で、すべての外国人が国内試験を受験できるわけではありません。たとえば、退学や除籍となった留学生、失踪した技能実習生、難民認定申請中の特定活動の在留資格を持つ人などは、受験資格が認められない場合があります。


また、介護分野では、受験後すぐに再受験できない期間が設けられています。不合格となった場合にすぐ次の試験を受けられないことがあるため、再受験を予定する際は注意が必要です。


海外で受験する場合は、試験を実施する国の法律や規則に従って行われます。そのため、受験資格や手続き、試験日程は国によって異なります。海外で受験を考えている場合は、現地の試験実施機関や関係機関の案内を確認しましょう。


参考:出入国在留管理庁「試験関係」


試験内容と実施団体


特定技能は、分野ごとに所管する省庁や試験実施団体が異なります。所管省庁が直接試験情報を案内している場合もあれば、委託を受けた民間団体などが試験を実施している場合もあります。


そのため、特定技能の技能評価試験は、すべての情報が一つのサイトにまとまっているとは限りません。受験を検討する際は、希望する分野の試験実施団体を確認し、試験日程、申込方法、試験内容、合格発表の情報を個別に調べる必要があります。


また、試験の実施頻度や実施国も分野によって異なります。国内では多くの分野で試験が行われていますが、分野によっては実施回数が少ない場合があります。海外試験についても、二国間の協力覚書を結んでいる国を中心に実施されていますが、すべての国で受験できるわけではありません。


企業が外国人材を採用する場合は、試験の実施状況を確認することも重要です。試験が頻繁に行われ、合格者が多い分野では採用市場に一定数の人材がいる可能性があります。反対に、試験がほとんど実施されていない分野や国では、採用したくても対象となる人材が少ないことがあります。


主な分野と試験実施団体は、次のとおりです。


産業分野

所管省庁

主な技能試験実施団体

介護

厚生労働省

厚生労働省

ビルクリーニング

全国ビルメンテナンス協会

工業製品製造業

経済産業省

経済産業省

建設

国土交通省

建設技能人材機構

造船・舶用工業

日本海事協会

自動車整備

日本自動車整備振興会連合会

航空

日本航空技術協会

宿泊

宿泊業技能試験センター

農業

農林水産省

全国農業会議所

漁業

大日本水産会

飲食料品製造業

外国人食品産業技能評価機構

外食業


試験の申込方法や合格発表、実施状況は、それぞれの試験実施団体のサイトで確認できます。受験者本人だけでなく、外国人材の採用を検討している企業も、最新情報を定期的に確認しておきましょう。


例題サンプル


技能評価試験では、分野ごとの業務に関する知識が問われます。ここでは、介護技能評価試験の例題を紹介します。


介護分野では、高齢者の体や心の変化、介助の方法、コミュニケーション、介護の基本的な考え方などが出題されます。単に言葉の意味を覚えるだけでなく、実際の介護現場でどのように対応するかを理解しておくことが大切です。


例題は次のとおりです。


問題

老化に伴う高齢者の体の変化として、正しいものを1つ選びなさい。

1

個人差は少ない。

2

低い音は聞こえにくくなる。

3

暑さや寒さを感じやすくなる。

4

視野が狭くなる。


正答は「4」です。


このように、技能評価試験では、分野ごとの専門知識だけでなく、現場で必要となる判断力も問われます。受験前には、試験実施団体が公開しているサンプル問題や学習用テキストを確認し、出題傾向に沿って対策を進めましょう。


特定技能ビザの日本語試験


特定技能1号の取得を目指す場合は、一定の日本語力があることを証明する必要があります。日本語力の要件は、原則として「日本語能力試験(JLPT)」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」のいずれかに合格することで満たせます。


どちらの試験を受けても要件を満たせますが、実施時期や試験方式は異なります。JLPTは実施回数が限られている一方、JFT-Basicは年間を通じて実施される機会が多いため、在留資格の申請時期に合わせて受験しやすい試験を選ぶケースもあります。


日本語能力試験 (JLPT)


日本語能力試験(JLPT)は、日本語を母語としない人を対象に、日本語の理解力を測る試験です。日本国内だけでなく海外でも実施されており、試験は通常、年2回、7月と12月に行われます。


JLPTでは、日本語で書かれた文章を読んで理解する力や、会話を聞いて内容を把握する力などが問われます。問題文は日本語で出題され、会話形式の面接や作文試験はありません。解答はマークシート方式です。


レベルはN1からN5までの5段階に分かれています。N1が最も難しく、N5が最も基礎的なレベルです。特定技能1号の日本語要件を満たすには、原則としてN4以上に合格する必要があります。


N4は、基本的な日本語を理解できるレベルとされています。たとえば、日常生活でよく使われる言葉や文を理解し、ゆっくり話される会話の内容をある程度聞き取れる力が求められます。


参考:国際交流基金 日本国際教育支援協会「N1~N5:認定の目安」


例題サンプル


JLPTでは、漢字の読み方や言葉の意味、文法、読解、聴解などが出題されます。たとえば、次のような形式の問題があります。


()のことばは、ひらがなでどう書きますか。1・2・3・4から、いちばんよいものを一つ選びなさい。


あにはバスで会社に(通って)います。


むかって

かよって

わたって

もどって


この問題では、「通って」の読み方を選びます。正しい答えは「2. かよって」です。


参考:国際交流基金 日本国際教育支援協会「問題例に挑戦しよう」


国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-basic)


国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)は、主に日本で働くことを希望する外国人を対象に、生活や仕事の場面で必要な日本語でのコミュニケーション力を測る試験です。日本国内だけでなく、海外でも実施されています。


JLPTのようにN1からN5までのレベル分けはなく、試験レベルは一つです。特定技能1号の日本語要件を満たすには、250点満点中200点以上を取得する必要があります。この水準は、基本的な日常会話ができ、身近な話題であれば日本語でやり取りできる程度の力を示します。


試験はCBT方式で行われます。CBT方式とは、パソコンやタブレットなどを使って受験する方法です。会話試験や作文試験はありません。画面に表示された問題を読み、選択肢から答えを選びます。


問題文は英語で表示されますが、「Your Language」ボタンを押すことで、受験する国や地域に応じた言語で確認できる場合があります。日本語に不安がある人でも、設問の意味を理解しながら受験しやすい仕組みです。


例題サンプル


JFT-Basicでは、生活場面で使う語彙や表現、会話の理解、読解などが問われます。たとえば、次のような問題があります。


Read the sentence and choose the word that fits in( )the most.


だんだん、日本のしゅうかんに( )きました。


なれて

ふえて

すすんで


この問題では、「日本の習慣に少しずつ慣れてきた」という意味になるように、適切な言葉を選びます。正しい答えは「1. なれて」です。


参考:国際交流基金 日本語基礎テスト「サンプル問題」


特定技能を取得できる外国人材の基準


特定技能の試験に合格している外国人は、希望する分野の業務について基本的な知識や技能を備えていると考えられます。入社後に一から教える必要がある人材ではなく、一定の業務を任せやすい人材として期待できる点が特徴です。


また、技能実習を一定期間良好に修了した場合には、特定技能1号への移行時に試験が免除されることがあります。この点からも、特定技能で求められる技能水準は、現場で働くための基礎が身に付いているかどうかを確認するものだといえるでしょう。さらに、日本語試験に合格している人であれば、業務に必要な範囲での日本語によるやり取りも期待できます。


ただし、特定技能試験に合格しているからといって、すべての業務をすぐに一人で任せられるとは限りません。試験は、基本的な知識や技能を確認するためのものです。職種によっては実技や面接が行われる場合もありますが、多くは筆記試験やCBT方式などで実施されます。そのため、合格は「業務の土台となる知識を持っていることの証明」と捉えるのが適切です。


日本語能力についても同様です。たとえば、日本語能力試験N4相当のレベルであれば、簡単なあいさつや日常的なやり取りはできます。一方で、複雑な指示を理解したり、細かなニュアンスを含む会話をしたりするには、職場でのサポートが必要になることもあります。


それでも、特定技能の試験に合格している人材は、業務の基本を理解しているため、現場に定着しやすい可能性があります。特に、元技能実習生など日本で働いた経験がある人材であれば、日本の職場文化や生活習慣に慣れていることも多く、受け入れ後の教育が進めやすいでしょう。


特定技能外国人を採用する際は、試験合格の有無だけで判断するのではなく、実務経験、日本語力、希望する業務との適性なども含めて確認することが大切です。制度の特徴や人材の能力を正しく理解したうえで、自社に合う採用方法を検討しましょう。


特定技能ビザの試験の注意点


続いて、特定技能ビザの試験を受ける際の注意点を2つ解説します。


試験日程は分野・年度で異なる


特定技能ビザの取得に必要な試験は、分野ごとに実施日程が異なります。介護、外食業、建設、宿泊、農業など、それぞれの分野で試験実施団体が異なり、試験の回数や開催地も同じではありません。


出入国在留管理庁が公表している「特定技能に係る試験の方針について」では、試験の実施回数について、1事業年度あたり2回以上の実施が望ましいとされています。ここでいう1事業年度とは、4月1日から翌年3月31日までの期間です。


ただし、実際の試験日程や開催回数は、分野や年度によって変わります。国内で受験できる場合もあれば、海外で実施される試験を受ける必要がある場合もあります。


特定技能ビザの申請では、対象となる技能評価試験や日本語試験への合格が必要です。そのため、試験を受ける時期、合格発表の時期、在留資格の申請予定日を逆算して準備を進めることが大切です。


参考:出入国在留管理庁「「特定技能」に係る試験の方針について」


試験合格は特定技能ビザ取得の一要件にすぎない


試験に合格したからといって、必ず在留資格が認められるわけではありません。


特定技能ビザの申請では、試験合格のほかにも、雇用契約の内容、受け入れ機関の体制、本人の在留状況、提出書類の内容などが確認されます。審査では、これらの要素を踏まえて総合的に判断されます。


そのため、「試験に合格すれば特定技能ビザを取得できる」と考えるのは適切ではありません。試験合格はあくまでスタートラインの一つであり、その後の申請手続きや書類準備も重要です。


特定技能ビザの取得を目指す場合は、試験対策と並行して、申請に必要な書類や雇用条件、受け入れ先の要件についても早めに確認しておきましょう。


特定技能外国人の採用を考えたら|適性診断チェック


特定技能人材の採用を検討している場合は、まず自社の受け入れ体制や採用の向き・不向きを確認しておくことが大切です。


簡単な診断では、11個の質問に答えるだけで、貴社が特定技能人材の採用に適しているか、どのようなリスクが想定されるか、採用を進めるうえで何に注意すべきかを把握できます。所要時間は約1分で、回答後すぐに結果を確認できます。


診断結果を見れば、自社の状況に応じて必要な準備や具体的な対策も分かります。特定技能人材の採用を考えている企業は、受け入れ体制を整える第一歩として、ぜひご活用ください。



まとめ:特定技能試験は分野ごとの内容と日程確認が重要


特定技能試験を受ける場合は、まず自分が希望する分野を確認し、その分野で必要な試験の種類、申込方法、試験日程、合格発表の時期を早めに調べておくことが大切です。試験の実施時期を逃すと、特定技能ビザの申請スケジュールにも影響する可能性があります。


また、特定技能ビザの取得を目指す場合は、試験対策だけでなく、申請手続き全体を見据えて準備を進めることが重要です。受験者本人はもちろん、外国人材の採用を検討している企業も、分野ごとの試験情報を定期的に確認し、余裕を持ってスケジュールを立てましょう。

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