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2026年7月12日 7:18:50

制度・基礎知識

特定技能2号とは?対象分野・取得要件・1号との違いをわかりやすく解説

近年は、特定技能2号の対象分野が広がり、建設や造船・舶用工業だけでなく、さまざまな分野で2号への移行が検討できるようになっています。人手不足が続く業界では、特定技能1号で採用した人材に経験を積んでもらい、将来的に特定技能2号へ移行してもらう流れも重要になっています。


この記事では、特定技能2号の概要や対象分野、取得要件、特定技能1号との違いをわかりやすく解説します。特定技能2号への移行を目指す方や、外国人材の長期雇用を検討している企業担当者は、ぜひ参考にしてください。


特定技能2号とは


特定技能2号とは、特定の産業分野で熟練した技能を持つ外国人が、日本で働くための在留資格です。特定技能1号よりも高い技能水準が求められ、現場で一定の経験を積んだ人材が、より長く日本で働き続けることを想定しています。


特定技能1号では、在留できる期間が通算5年までとされています。一方、特定技能2号は在留期間の更新に通算上限がなく、要件を満たして更新を続ければ、長期的に日本で働くことができます。また、配偶者や子どもの帯同も認められるため、日本で生活基盤を築きながら働きたい外国人にとって重要な選択肢になります。


企業にとっても、特定技能2号は大きな意味を持つ制度です。特定技能1号で採用した人材が経験を積み、2号へ移行できれば、現場を理解した人材を長期的に雇用しやすくなります。人手不足が続く業界では、単なる一時的な人材確保ではなく、将来を見据えた人材育成や定着につなげやすい制度といえるでしょう。


創設された背景


特定技能制度は、人手不足が深刻な産業分野で外国人材を受け入れるために創設されました。当初、特定技能2号の対象分野は限られており、実際に活用できる場面も多くありませんでした。


しかし、国内の人手不足はさまざまな業界で続いており、一定期間だけ働く仕組みでは、企業が安定して人材を確保しにくいという課題がありました。特に、現場で経験を積んだ外国人材が、在留期間の上限によって帰国せざるを得ない場合、企業側にとっても本人にとっても大きな負担になります。


こうした背景から、特定技能2号の対象分野は拡大され、熟練した技能を持つ外国人材が日本で長く働ける道が広がりました。これにより、企業は経験のある人材を継続して雇用しやすくなり、外国人本人も日本でのキャリアを描きやすくなっています。


長期雇用を見据えやすい在留資格


特定技能2号の大きな特徴は、長期的な雇用を前提に考えやすい点です。特定技能1号では在留期間が通算5年までに限られるため、企業は将来的な人員計画を立てにくい場合があります。一方、特定技能2号では更新を重ねることで、継続して日本に在留できます。


また、家族帯同が可能になる点も重要です。配偶者や子どもと日本で暮らせるようになれば、外国人本人にとって生活の安定につながり、職場への定着もしやすくなります。単身での就労に比べて、長く働き続ける意欲を持ちやすい点も、企業にとってメリットといえるでしょう。


特定技能2号は、外国人材を短期的な労働力としてではなく、現場を支える中長期的な人材として受け入れるための制度です。企業が特定技能人材の採用を検討する際は、1号での受け入れだけでなく、将来的な2号への移行も見据えて、教育体制やキャリア形成の仕組みを整えておくことが大切です。


特定技能2号と特定技能1号の違い


特定技能には「1号」と「2号」があり、どちらも人手不足分野で外国人材を受け入れるための在留資格です。ただし、制度上の位置付けや在留期間、家族帯同の扱い、求められる技能水準には大きな違いがあります。


特定技能1号は、一定の知識や経験を持つ外国人が対象です。一方、特定技能2号は、現場で熟練した技能を発揮できる人材を対象としています。そのため、特定技能2号のほうが長期的な就労を見据えやすく、企業にとっても人材の定着を図りやすい在留資格といえます。


主な違いは、次のとおりです。


項目

特定技能1号

特定技能2号

在留期間

通算5年まで

更新に通算上限なし

家族帯同

原則不可

条件を満たせば可能

技能水準

相当程度の知識・経験

熟練した技能

支援計画

必要

原則不要

永住申請

原則として長期在留にはつながりにくい

長期在留を前提に検討しやすい


在留期間


特定技能1号で在留できる期間は、通算で5年までです。更新は可能ですが、合計で5年を超えて在留することはできません。そのため、特定技能1号は、一定期間に限って日本で働く制度といえます。


一方、特定技能2号には、在留期間の通算上限がありません。更新が認められれば、日本で継続して働き続けることができます。企業にとっては、経験を積んだ人材を長く雇用しやすくなる点が大きなメリットです。


家族帯同の可否


特定技能1号では、家族の帯同は原則として認められていません。本人が日本で働くことはできますが、配偶者や子どもを家族滞在などで呼び寄せることは基本的に難しい仕組みです。


これに対して、特定技能2号では、一定の条件を満たせば配偶者や子どもの帯同が認められます。家族と一緒に日本で生活できる可能性があるため、外国人本人にとっても、生活基盤を整えながら長く働きやすくなります。


求められる技能水準


特定技能1号では、対象分野で働くために必要な相当程度の知識や経験が求められます。技能評価試験に合格する、または技能実習2号を良好に修了することなどによって、一定の技能水準があると判断されます。


一方、特定技能2号では、より高い技能水準が必要です。単に作業を行えるだけでなく、現場で熟練した技能を発揮できることが求められます。分野によっては、実務経験や試験合格などを通じて、専門性の高さを証明しなければなりません。


支援計画の必要性


特定技能1号では、受け入れ企業に支援計画の作成と実施が求められます。支援計画には、入国前の事前ガイダンス、住居確保の支援、生活オリエンテーション、相談対応などが含まれます。外国人が日本で安心して働き、生活できるようにするための仕組みです。


一方、特定技能2号では、特定技能1号のような支援計画の作成は原則として求められません。特定技能2号は、すでに日本での就労経験や高い技能を持つ人材を想定しているため、1号よりも自立した就労ができる在留資格として扱われます。


ただし、支援計画が不要だからといって、企業側の配慮が不要になるわけではありません。長期雇用を目指すのであれば、職場での相談体制やキャリア形成の支援、生活面への配慮を行うことが、人材の定着につながります。


永住申請の想定


特定技能1号は在留期間が通算5年までに限られるため、長期的な在留や永住申請を見据えにくい在留資格です。日本で働ける期間に上限があるため、将来的に日本で生活基盤を築きたい人にとっては制約があります。


一方、特定技能2号は在留期間の更新に通算上限がないため、長期在留を前提に将来設計をしやすくなります。一定期間以上日本に在留し、収入や素行、納税状況などの要件を満たせば、永住申請を検討できる可能性もあります。


そのため、特定技能2号は、外国人本人にとっては日本で長く働くための選択肢となり、企業にとっては経験豊富な人材を継続的に雇用するための制度として活用できます。


以下の記事では、特定技能1号について詳しく解説しています。


特定技能1号とは?対象分野・取得要件・受入条件をわかりやすく解説


特定技能2号で受け入れが認められている分野


特定技能2号は、すべての特定産業分野で認められているわけではありません。特定技能1号の対象分野のうち、長期的な受け入れが想定される分野で利用できます。


もともと特定技能2号の対象は、建設分野と造船・舶用工業分野の一部に限られていました。その後、対象分野が拡大され、現在は介護分野など一部を除く分野で、特定技能2号への移行を検討できるようになっています。


対象分野一覧


特定技能2号で受け入れが認められている主な分野は、次のとおりです。


  • ビルクリーニング

  • 工業製品製造業

  • 建設

  • 造船・舶用工業

  • 自動車整備

  • 航空

  • 宿泊

  • 農業

  • 漁業

  • 飲食料品製造業

  • 外食業


これらの分野では、特定技能1号として働いた人が実務経験を積み、試験などの要件を満たすことで、特定技能2号への移行を目指せます。企業にとっても、現場で育成した人材を長く雇用しやすくなる点が大きなメリットです。


一方で、介護分野、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業などは、特定技能2号の対象外とされています。特定技能1号の対象分野と、特定技能2号の対象分野は完全には一致しないため、採用や在留資格の変更を検討する際は注意が必要です。


分野ごとに従事できる業務内容が異なる


特定技能2号の対象分野に含まれていても、どのような業務でも従事できるわけではありません。実際に認められる業務内容は、分野ごとに定められています。


たとえば、建設分野では、建設現場での作業に加えて、一定の技能や経験を生かした業務が想定されます。外食業では、調理や接客だけでなく、店舗運営に関わる幅広い業務が対象になる場合があります。農業や漁業でも、作業内容や従事できる範囲は分野ごとに異なります。


また、特定技能2号は「熟練した技能」を持つ人を対象とする在留資格です。そのため、単に対象分野で働いていれば移行できるわけではありません。分野ごとに定められた試験への合格や、一定の実務経験などが求められます。


企業が特定技能2号への移行を見据えて人材を受け入れる場合は、自社の業務が対象分野に含まれるかだけでなく、本人が将来的にどの業務で2号へ移行できるのかも確認しておくことが大切です。


介護分野が特定技能2号の対象外とされている理由


介護分野は、特定技能1号では受け入れが認められているものの、特定技能2号の対象には含まれていません。これは、介護分野には別に「介護」という専門的・技術的分野の在留資格が用意されているためです。


介護分野で長期的に日本で働きたい場合は、特定技能2号へ移行するのではなく、介護福祉士の資格を取得し、在留資格「介護」へ変更する道が想定されています。介護福祉士として認められれば、より専門性の高い介護人材として、日本で継続して働くことができます。


そのため、介護分野で働く外国人が将来的なキャリアを考える際は、特定技能2号ではなく、介護福祉士資格の取得や在留資格「介護」への変更を視野に入れることが重要です。受け入れ施設側も、長期雇用を見据える場合は、資格取得支援や日本語学習のサポートなどを整えておくとよいでしょう。


特定技能2号の取得要件


特定技能2号の在留資格を取得するには、主に2つの要件を満たす必要があります。


  • 希望する分野で実施される特定技能2号の試験に合格すること

  • その分野で一定期間の実務経験を積んでいること


特定技能1号では、技能評価試験に加えて日本語試験への合格が求められます。一方、特定技能2号では、日本語試験の扱いが分野によって異なります。漁業分野と外食業分野では日本語試験への合格が必要ですが、そのほかの分野では、原則として日本語試験の合格は要件とされていません。


ただし、日本語試験が不要な分野であっても、日本語力がまったく必要ないわけではありません。特定技能2号の試験問題は日本語で出題されます。分野によっては、問題文にふりがなが付かない場合もあるため、試験内容を正しく理解できる程度の日本語力は求められます。


そのため、特定技能2号を目指す場合は、技能試験の対策だけでなく、業務や試験で使われる日本語にも慣れておくことが大切です。実務経験を積みながら、専門用語や現場で使う表現を理解できるよう準備しておきましょう。


特定技能2号人材を受け入れる企業の条件


特定技能2号の外国人を受け入れる場合、企業に求められる基本的な条件は、特定技能1号を受け入れる場合と大きく変わりません。適正な雇用契約を結び、法令を守り、外国人が安心して働ける環境を整えることが前提になります。


受け入れ機関に求められる主な基準は、次のとおりです。


主な基準

具体的な内容

雇用契約の内容が適切であること

報酬額や労働時間、休日などが適正であり、同じ程度の技能を持つ日本人と同等以上の待遇になっていること

受け入れ機関が適切であること

労働関係法令や入管法令を守っていること、欠格事由に該当しないこと、保証金の徴収や違約金契約をしていないこと

支援体制が整っていること

特定技能1号の場合は、支援計画の作成や生活支援の実施が必要


特定技能外国人を雇用する企業は、賃金や労働時間などの条件を適切に設定しなければなりません。特定技能外国人だからといって、日本人より低い待遇で雇用することは認められていません。また、過去に重大な法令違反がある企業や、不当な保証金・違約金契約に関与している企業は、受け入れが認められない場合があります。


一方で、特定技能2号では、特定技能1号で必要とされる支援計画書の作成や生活支援は対象外です。特定技能2号は、すでに一定の経験や高い技能を持つ人材を想定しているため、1号に比べると受け入れ企業の支援負担は軽くなります。


ただし、支援義務が軽減されるからといって、企業側の対応が不要になるわけではありません。長く働いてもらうためには、職場での相談体制を整えたり、キャリア形成を支援したりすることが大切です。特定技能2号の受け入れでは、法令上の基準を満たすだけでなく、外国人材が安心して働き続けられる環境づくりも重要になります。


特定技能2号人材の受け入れ手順


特定技能2号の外国人材を受け入れる流れは、外国人がすでに日本にいるか、海外に住んでいるかによって異なります。


日本に在留している外国人を雇用する場合は、現在の在留資格から特定技能2号へ切り替えるために、在留資格変更許可申請を行います。一方、海外にいる外国人を日本へ呼び寄せる場合は、在留資格認定証明書交付申請を行い、その後、現地でビザを申請してもらう流れになります。


それぞれの手続きの違いを理解しておくと、入社までのスケジュールを立てやすくなります。


日本在留の外国人を雇用するパターン


すでに日本に在留している外国人を特定技能2号として雇用する場合は、在留資格変更許可申請を行います。現在の在留資格のままでは特定技能2号として働けないため、許可を受けてから就労を開始する必要があります。


主な流れは次のとおりです。


  1. 特定技能2号試験の受験手続きを行う

  2. 試験合格後、必要に応じて雇用契約を結ぶ

  3. 在留資格変更許可申請に必要な書類を準備する

  4. 出入国在留管理局へ申請する

  5. 許可後、新しい在留カードを受け取る

  6. 特定技能2号として就労を開始する


特定技能2号試験を受ける外国人がいる場合、企業側も受験手続きの確認や必要なサポートを行いましょう。分野によっては、企業側からしか受験申し込みができないケースもあるため、試験実施団体の案内を早めに確認することが大切です。


受験費用は、外国人本人が負担する場合もあれば、企業が負担する場合もあります。どちらが支払うのかは、事前に本人と確認しておくとトラブルを防ぎやすくなります。


試験に合格した後、他社から転職してくる場合は、新たに雇用契約を結びます。同じ企業で特定技能1号から2号へ移行する場合は、すでに雇用契約を結んでいるため、契約内容に変更がなければ改めて契約を結び直す必要はありません。ただし、業務内容や待遇に変更がある場合は、契約内容の見直しが必要です。


その後、在留資格変更許可申請に必要な書類を準備します。必要書類は、外国人本人に関するもの、受け入れ企業に関するもの、分野ごとに定められたものに分かれます。分野によって提出書類が異なるため、出入国在留管理庁の公式情報を確認しながら準備しましょう。


書類がそろったら、地方出入国在留管理局へ申請します。窓口に持参して申請する方法のほか、条件を満たせばオンライン申請も可能です。審査が許可され、新しい在留カードが交付されたら、特定技能2号として働き始めることができます。


海外在住の外国人を雇用するパターン


海外に住んでいる外国人を特定技能2号として受け入れる場合は、まず在留資格認定証明書の交付を受ける必要があります。その後、外国人本人が現地の日本大使館や総領事館でビザ申請を行い、日本へ入国する流れになります。


主な流れは次のとおりです。


  1. 特定技能2号試験に合格した外国人と雇用契約を結ぶ

  2. 在留資格認定証明書交付申請に必要な書類を準備する

  3. 出入国在留管理局へ申請する

  4. 交付された在留資格認定証明書を外国人本人へ送付する

  5. 外国人本人が在外公館でビザを申請する

  6. ビザ発給後、日本へ入国する

  7. 在留カードの交付後、就労を開始する


海外在住の外国人を雇用する場合も、まずは試験に合格していることや実務経験などの要件を確認します。そのうえで、企業と外国人本人が雇用契約を結びます。


次に、在留資格認定証明書交付申請に必要な書類を準備します。必要書類は分野ごとに異なるため、出入国在留管理庁の案内を確認し、申請人本人の書類、受け入れ企業の書類、分野別の書類を漏れなくそろえることが重要です。


書類が準備できたら、地方出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請を行います。申請は窓口で行うほか、オンラインで対応できる場合もあります。


在留資格認定証明書が交付されたら、海外にいる外国人本人へ送付します。証明書を受け取った外国人は、居住国にある日本の大使館や総領事館などの在外公館でビザを申請します。


ビザが発給されると、日本への入国が可能になります。日本に到着した後、空港などで在留カードが交付されます。在留カードを受け取ったら、特定技能2号として就労を開始できます。


海外から呼び寄せる場合は、在留資格認定証明書の交付、証明書の送付、ビザ申請、入国準備など、複数の工程が必要です。日本在留者の採用よりも時間がかかることがあるため、入社予定日から逆算して準備を進めましょう。


特定技能外国人の採用を考えたら|適性診断チェック


特定技能人材の採用を進める前に、まずは自社が受け入れに対応できる状態かを確認しておくことが重要です。採用後に必要な手続きや支援体制を把握しないまま進めると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。


簡単な診断では、11個の質問に答えるだけで、貴社が特定技能人材の採用に適しているかを確認できます。あわせて、想定される課題やリスク、採用前に注意すべきポイントも把握できます。所要時間は約1分で、回答後すぐに診断結果を確認できます。


診断結果を参考にすれば、自社に足りない準備や、受け入れ前に整えておきたい体制が見えやすくなります。特定技能人材の採用を検討している企業は、受け入れ準備を始めるための第一歩として、ぜひご活用ください。



まとめ:特定技能2号は長期雇用を見据えた制度


特定技能2号は、外国人本人にとっては日本で安定したキャリアを築くための選択肢であり、企業にとっては長期的な人材確保につながる制度です。


特定技能2号への移行や採用を進める際は、本人の技能水準、実務経験、対象分野、雇用条件を一つずつ確認することが大切です。あわせて、企業側も法令に沿った雇用契約を整え、外国人材が安心して働き続けられる環境を用意しておく必要があります。


制度の要件を正しく理解し、自社の受け入れ体制を整えたうえで、計画的に活用を進めましょう。

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