top of page

​はじめての外国人採用を、成功へ導く情報メディア

2026年7月12日 7:45:38

制度・基礎知識

特定技能1号とは?対象分野・取得要件・受入条件をわかりやすく解説

近年は、人材確保の手段として特定技能1号に注目する企業が増えています。一方で、制度の内容を十分に理解しないまま採用を進めると、対象分野や取得要件、受け入れ機関としての義務を見落としてしまうおそれがあります。


この記事では、特定技能1号の基本的な仕組みや対象分野、取得要件、企業が満たすべき受け入れ条件をわかりやすく解説します。特定技能1号での就労を目指す方や、外国人材の採用を検討している企業担当者は、制度を理解するための参考にしてください。


特定技能1号とは


特定技能1号とは、人手不足が深刻な産業分野で、一定の専門性や技能を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。企業にとっては、業務に必要な基本的な知識や技能を備えた人材を採用できる制度であり、現場の人手不足を補う手段の一つとして活用されています。


今後は育成就労制度の施行も予定されており、外国人材の受け入れ制度は大きな転換期を迎えています。その中で特定技能は、外国人から「働きたい国」として日本を選んでもらうためにも、重要な制度として位置付けられています。


制度の目的


特定技能制度は、国内人材だけでは人手を確保することが難しい分野で、外国人材を受け入れるために2019年に創設されました。特定技能1号は、対象分野で必要とされる技能や日本語力を持つ外国人が、日本で働くための在留資格です。


特定技能1号を取得するには、原則として、分野ごとの技能評価試験と日本語試験に合格する必要があります。これにより、受け入れ企業は、一定の知識や技能を持った人材を採用しやすくなります。


近年は、地方の人手不足への対応や、生産性向上とあわせた人材確保の必要性が高まっています。そのため、特定技能1号は、単なる人手不足対策にとどまらず、事業を継続するための人材戦略としても注目されています。


在留期間


特定技能1号で日本に在留できる期間には上限があります。従来は、在留期間が「1年」「6カ月」「4カ月」などの単位で付与され、必要に応じて更新を行う仕組みでした。


制度改正により、在留期間の付与ルールが見直され、最長で3年の在留期間が認められるようになっています。これにより、企業側は更新手続きの頻度を減らしやすくなり、事務負担や管理コストの軽減が期待できます。


ただし、在留期間が長く付与される場合でも、特定技能1号として在留できる通算期間には上限があります。受け入れ企業は、本人の在留期限や更新時期を管理し、必要な手続きを適切に進めることが大切です。


対象分野


対象分野は次のとおりです。


  • 介護

  • ビルクリーニング

  • 工業製品製造業

  • 建設

  • 造船・舶用工業

  • 自動車整備

  • 航空

  • 宿泊

  • 農業

  • 漁業

  • 飲食料品製造業

  • 外食業

  • 自動車運送業

  • 鉄道

  • 林業

  • 木材産業


2024年には、新たに「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」が対象分野に加わりました。特に自動車運送業では、物流や地域交通を支える人材の確保が課題となっており、トラック、バス、タクシーなどの分野で外国人材の活躍が期待されています。


ただし、対象分野であればどのような業務でも特定技能1号の対象になるわけではありません。分野ごとに認められる業務範囲が定められているため、採用を検討する際は、自社の業務が対象に含まれるかを事前に確認する必要があります。


以下の記事では、特定技能「外食業」について詳しく解説しています。


特定技能「外食業」とは?対象業務・取得要件・外国人雇用の流れを解説


特定技能1号と2号の違い


特定技能には「1号」と「2号」があり、在留期間や家族帯同の可否、求められる技能水準に違いがあります。


特定技能1号は、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が対象となる在留資格です。在留できる期間は通算で5年までとされており、家族の帯同は原則として認められていません。そのため、日本で一定期間働きながら経験を積むことを想定した制度といえます。


一方、特定技能2号は、より熟練した技能を持つ外国人を対象としています。特定技能1号よりも高い実務能力が求められますが、在留期間の更新に通算上限はなく、条件を満たせば配偶者や子どもの帯同も可能です。日本で長く働きたい人にとっては、安定したキャリアを築きやすい在留資格といえるでしょう。


特定技能2号について、詳しくは以下の記事で解説しています。


特定技能2号とは?対象分野・取得要件・1号との違いをわかりやすく解説


特定技能1号ビザの取得要件


特定技能1号ビザを取得する方法は、大きく分けて2つあります。一つは、技能評価試験と日本語試験に合格して申請する方法です。もう一つは、技能実習を修了した後に特定技能1号へ移行する方法です。


どちらの方法を選ぶ場合でも、本人の年齢や健康状態、雇用契約の内容など、基本的な要件を満たしている必要があります。

H3: 技能評価試験と日本語能力試験への合格

試験を受けて特定技能1号を取得する場合は、希望する分野の技能評価試験と、日本語能力を確認する試験に合格する必要があります。


詳しくは、以下の記事をご覧ください。


特定技能ビザ取得に必要な技能評価試験・日本語試験とは?日程や例題も紹介


技能実習からの移行


技能実習を修了した外国人は、一定の条件を満たすことで、特定技能1号へ移行できます。主な要件は、技能実習2号を良好に修了していることと、技能実習で従事していた職種・作業内容が、特定技能1号で希望する業務と関連していることです。


技能実習2号を良好に修了しており、移行先の特定技能分野との関連性が認められる場合は、技能評価試験と日本語試験が免除されます。すでに日本で一定期間働き、必要な技能や日本語力を身に付けていると判断されるためです。


一方で、技能実習時とは異なる分野で特定技能1号を申請する場合は、技能評価試験の免除を受けられないことがあります。ただし、技能実習2号を良好に修了している場合、日本語試験については免除されるケースがあります。


年齢・健康・雇用契約などの基本要件


特定技能1号を取得するには、試験や技能実習に関する要件だけでなく、本人に関する基本的な条件も満たす必要があります。


まず、申請者は18歳以上でなければなりません。また、日本で働くうえで支障がない健康状態であることも求められます。受け入れ企業との雇用契約についても、報酬額や労働時間、業務内容などが適切であるか確認されます。


さらに、不当な保証金の徴収や違約金契約がないことも重要です。外国人本人や家族が、送り出し機関や仲介者などに高額な保証金を支払っている場合、トラブルにつながるおそれがあります。


特定技能1号人材を受け入れる企業の条件


特定技能1号の外国人材を受け入れる企業には、単に雇用契約を結ぶだけでなく、法律で定められたさまざまな対応が求められます。特定技能外国人が日本で安心して働き、生活できるようにするため、受け入れ企業には雇用管理や生活支援に関する責任があります。


特に、労働条件の適正さや支援体制の有無は、在留資格の審査でも重要なポイントになります。制度を十分に理解せずに受け入れを進めると、申請が認められなかったり、受け入れ後にトラブルが起きたりするおそれがあります。


受け入れ機関の基準


特定技能外国人を受け入れる企業は、「受け入れ機関」として一定の基準を満たす必要があります。前提となるのは、労働関係法令や出入国管理に関する法令を守っていることです。


たとえば、過去に労働基準法違反や入管法違反などで処分を受けている場合、特定技能外国人の受け入れが制限されることがあります。外国人材を受け入れる企業には、適切な労務管理を行う姿勢が求められます。


また、特定技能外国人と結ぶ雇用契約では、日本人と同等以上の報酬を支払う必要があります。同じ程度の技能を持ち、同じような業務に従事する日本人労働者と比べて、不当に低い賃金にすることは認められません。


さらに、分野によっては受け入れ人数に上限が設けられている場合があります。特に建設分野や介護分野では、事業所の規模や職員数などに応じて、受け入れ可能な人数が制限されることがあります。採用を進める前に、自社がどの程度の人数を受け入れられるのか確認しておきましょう。


受け入れ機関が実施すべき支援


特定技能1号の外国人材を受け入れる場合、企業は外国人本人に対して生活面や就労面の支援を行う必要があります。これは、外国人が日本で働くうえで困らないようにするための重要な仕組みです。


支援には、入国前の説明、空港などへの送迎、住居の確保、銀行口座の開設、携帯電話の契約、日本での生活ルールの説明、相談対応などがあります。これらは一時的な手続きだけではなく、在留期間中に継続して行うべき支援も含まれます。


たとえば、事前ガイダンスでは、雇用条件や日本での生活、入国手続き、社会保険や税金などについて説明します。生活オリエンテーションでは、ごみ出しのルール、交通機関の利用方法、災害時の対応、行政サービスの使い方など、日常生活に必要な情報を伝えます。


また、職場や生活で問題が起きたときに相談できる窓口を整えることも必要です。言葉や文化の違いによって小さな不安が大きなトラブルにつながることもあるため、早い段階で相談できる体制を用意しておくことが大切です。


登録支援機関への委託も可能


特定技能外国人への支援を自社だけで行うのが難しい場合は、登録支援機関に支援業務を委託することもできます。登録支援機関とは、出入国在留管理庁に登録された機関で、特定技能外国人への支援を代行できる専門機関です。


登録支援機関に委託すれば、生活オリエンテーションや相談対応、各種手続きの支援などを任せられるため、受け入れ企業の負担を軽減できます。特に、外国人材の受け入れ経験が少ない企業や、多言語対応が難しい企業にとっては有効な選択肢です。


ただし、登録支援機関に委託した場合でも、受け入れ企業としての責任がなくなるわけではありません。委託先が適切に支援を行っているかを確認し、必要に応じて連携することが重要です。


また、登録支援機関を利用するには費用がかかります。委託する業務の範囲や支援内容、対応言語、実績などを確認し、自社に合った機関を選びましょう。特定技能外国人が安心して働ける環境を整えるためには、企業と登録支援機関が協力して支援体制を作ることが大切です。


特定技能1号ビザの取得手続き


特定技能1号ビザの申請は、外国人が海外から新たに日本へ入国する場合と、すでに日本に在留している場合で手続きが異なります。海外から呼び寄せる場合は「在留資格認定証明書交付申請」を行い、日本国内にいる外国人が在留資格を切り替える場合は「在留資格変更許可申請」を行います。


いずれの申請でも、本人に関する書類だけでなく、受け入れ企業や支援体制に関する書類も必要です。提出書類の種類が多いため、申請前に全体の流れを把握し、漏れなく準備を進めることが大切です。


基本的な申請の流れ


特定技能1号の申請は、まず外国人本人と受け入れ企業が雇用契約を結ぶところから始まります。そのうえで、本人が必要な技能評価試験や日本語試験に合格しているか、または技能実習からの移行要件を満たしているかを確認します。


次に、申請に必要な書類をそろえ、出入国在留管理局へ申請します。海外から人材を呼び寄せる場合は、在留資格認定証明書の交付を受けた後、本人が現地の日本大使館や総領事館で査証を申請し、日本へ入国する流れになります。


すでに日本にいる外国人を採用する場合は、現在の在留資格から特定技能1号へ変更するため、在留資格変更許可申請を行います。変更が許可されるまでは、原則として特定技能1号として働き始めることはできません。


一般的な申請の流れは、次のとおりです。


  1. 受け入れ企業と外国人本人が雇用契約を結ぶ

  2. 技能評価試験・日本語試験の合格状況、または技能実習からの移行要件を確認する

  3. 支援計画を作成し、受け入れ体制を整える

  4. 申請に必要な書類を準備する

  5. 出入国在留管理局へ申請する

  6. 許可後、入国または在留資格の変更手続きを進める


審査にかかる期間は、一般的に1〜3カ月程度が目安です。ただし、書類に不備があったり、追加資料の提出を求められたりすると、さらに時間がかかる場合があります。採用予定日が決まっている場合は、余裕を持って準備しましょう。


必要書類


特定技能1号の申請では、申請人本人に関する書類、受け入れ企業に関する書類、支援に関する書類を提出します。必要書類は申請内容や分野、本人の在留状況によって異なるため、必ず最新の案内を確認することが大切です。


申請人本人に関する書類としては、技能試験や日本語試験の合格証明書、健康診断個人票、職歴を確認できる書類などが必要になります。技能実習から移行する場合は、技能実習を良好に修了したことを示す書類が求められることもあります。


受け入れ企業に関する書類としては、雇用契約書や雇用条件書、会社の登記事項証明書、決算書類、受け入れ機関の概要を示す書類などが必要です。また、特定技能1号では外国人への支援が義務付けられているため、支援計画書も提出します。


主な必要書類は、次のとおりです。


区分

主な書類

申請人に関する書類

申請書、写真、パスポート、在留カード、技能試験合格証明書、日本語試験合格証明書、健康診断個人票、職歴証明書など

雇用契約に関する書類

雇用契約書の写し、雇用条件書の写しなど

受け入れ企業に関する書類

登記事項証明書、決算書類、受け入れ機関の概要書など

支援に関する書類

支援計画書、支援委託契約書、登録支援機関の登録証明書など


支援業務を登録支援機関に委託する場合は、委託契約書や登録支援機関に関する書類も必要です。書類の不足や記載ミスは審査の遅れにつながるため、提出前に内容を丁寧に確認しましょう。


申請時の注意点と審査のポイント


特定技能1号の審査では、外国人本人が必要な技能や日本語力を備えているかだけでなく、受け入れ企業が適切に雇用・支援できる体制を整えているかも確認されます。


特に重要なのは、雇用条件が適正であることです。特定技能外国人に支払う報酬は、同じ程度の技能を持つ日本人労働者と同等以上でなければなりません。労働時間や休日、業務内容なども、労働基準法などの関係法令に沿っている必要があります。


また、受け入れ企業の法令順守状況も審査の対象になります。過去に労働関係法令や出入国管理に関する法令に違反している場合、受け入れが認められないことがあります。外国人材を安定して受け入れるには、日頃から適切な労務管理を行っておくことが欠かせません。


特定技能外国人の採用を考えたら|適性診断チェック


特定技能人材を採用する前に、自社の受け入れ準備がどの程度整っているかを確認してみましょう。


簡単な診断では、11個の質問に回答するだけで、貴社が特定技能人材の採用に向いているか、どのような課題やリスクが考えられるかを確認できます。診断にかかる時間は約1分で、回答後すぐに結果を確認できます。


結果をもとに、自社に必要な準備や、採用を進める際に注意すべきポイントも把握できます。特定技能人材の受け入れを検討している企業は、採用準備を始めるきっかけとして、ぜひご活用ください。



特定技能1号は要件と受入体制を確認して準備しよう


特定技能1号は、人手不足が深刻な分野で外国人材を受け入れるための在留資格です。介護、建設、外食業、農業など、対象分野は幅広く、一定の技能や日本語力を持つ外国人を採用できる制度として活用されています。


特定技能1号の申請では、提出書類の内容や雇用条件、受け入れ機関としての適格性も審査されます。試験に合格している人材であっても、申請書類に不備があったり、企業側の支援体制が整っていなかったりすると、手続きがスムーズに進まない可能性があります。


外国人材の採用を成功させるには、制度の内容を正しく理解し、採用前から受け入れ後の支援まで見据えて準備することが重要です。対象分野、取得要件、雇用契約、支援体制を一つずつ確認し、自社に合った形で特定技能1号の活用を進めましょう。

bottom of page