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2026年8月29日 12:56:06
制度・基礎知識
特定技能外国人にマイナンバーカードは必要?取得・更新方法と特定在留カードを解説

特定技能外国人を受け入れる企業の担当者の中には、「マイナンバーカードの取得は必須なのか」「在留期間を更新したら、カードも自動で更新されるのか」と疑問を持つ方もいるでしょう。
マイナンバーは、住民票が作成された外国人にも付番されます。一方、顔写真付きのマイナンバーカードを作るかどうかは本人の自由です。カードを持っていないことを理由に、特定技能外国人が日本で働けなくなるわけではありません。
ただし、マイナンバーカードには、在留期間に応じた有効期限が設定されます。更新手続きを忘れるとカードが失効するため、本人だけでなく受け入れ企業も注意が必要です。
本記事では、特定技能外国人のマイナンバーカードについて、取得・更新の方法や企業が行いたい支援、2026年6月に始まった「特定在留カード」の仕組みを解説します。
特定技能外国人にもマイナンバーは付番される
マイナンバーの有無と、マイナンバーカードを持っているかどうかは別の問題です。まずは両者の違いを整理しておきましょう。
住民票を作成するとマイナンバーが付番される
マイナンバーは、日本国内に住民票を持つ人に付番される12桁の番号です。日本人だけでなく、外国籍でも住民票が作成されれば対象になります。
特定技能外国人は中長期在留者に当たるため、入国後に住居地を決めたら、その日から14日以内に市区町村へ届け出なければなりません。正確には「入国日から14日以内」ではなく、「住居地を定めた日から14日以内」です。住居地の届出に関する手続をすると住民票が作成され、マイナンバーが付番されます。
「マイナンバー」と「マイナンバーカード」は別のもの
マイナンバーは、一人ひとりに割り当てられる番号そのものです。原則として生涯同じ番号を使用し、在留期間を更新したり住所を変更したりしても変わりません。
一方、マイナンバーカードは、氏名、住所、生年月日、顔写真などが記載されたICカードです。マイナンバーの証明と本人確認を1枚で行えるほか、電子証明書を使ったオンライン手続にも利用できます。
特定技能外国人もカードの取得自体は任意
マイナンバーは住民票の作成に伴って自動的に付番されますが、マイナンバーカードは本人が申請しなければ交付されません。
デジタル庁も、マイナンバーカードの取得は義務ではないと案内しています(デジタル庁「よくある質問:マイナンバーカードについて」)。これは特定技能外国人についても同じです。受け入れ企業は取得を勧めることはできますが、本人の意思に反して申請させることはできません。
マイナンバーカードがなくても日本で働ける
マイナンバーカードの所持は、特定技能の在留資格や就労の条件ではありません。カードを作っていなくても、在留資格に応じた仕事に就けます。
ただし、企業は税金や社会保険の手続で、従業員のマイナンバーを使用します。カードを持っていない場合は、個人番号通知書やマイナンバーが記載された住民票の写しなどで番号を確認できます。
特定技能外国人がマイナンバーカードを利用する場面
マイナンバーカードがなくても働けますが、取得しておくと、日本での生活や行政手続が便利になります。
税金や社会保険の手続きをするとき
企業は、源泉徴収票や健康保険・厚生年金保険の資格取得届などを作成する際、従業員のマイナンバーを取り扱います。
マイナンバーカードがあれば、番号の確認と本人確認を1枚で済ませられます。カードがなくても手続はできますが、マイナンバーが記載された住民票と在留カードなど、複数の書類が必要になる場合があります。
マイナ保険証として医療機関を受診するとき
健康保険証として利用登録をしたマイナンバーカードは、「マイナ保険証」として医療機関や薬局で使えます。
利用登録は、マイナポータル、セブン銀行ATM、医療機関の顔認証付きカードリーダーなどから行えます。マイナンバーカードを作らない人には資格確認書が交付されるため、カードがなくても保険診療を受けられます。厚生労働省は、在日外国人向けの案内も多言語で公開しています。
本人確認書類として提示するとき
マイナンバーカードは、顔写真付きの公的な本人確認書類です。銀行口座の開設、携帯電話の契約、行政手続などで利用できます。
ただし、マイナンバーカードを持っていても、在留資格や就労制限を確認する場面では在留カードの提示が必要です。通常のマイナンバーカードだけでは、就労できるかどうかを判断できません。
コンビニで住民票などの証明書を取得するとき
電子証明書が有効なマイナンバーカードがあれば、対応するコンビニの端末で、住民票の写しや印鑑登録証明書などを取得できます。
市区町村の窓口が閉まっている時間帯にも利用できるため、平日に仕事を休みにくい外国人には便利です。ただし、取得できる証明書や利用時間は自治体によって異なります。
在留期間更新などをオンラインで申請するとき
マイナンバーカードを持つ外国人本人は、在留申請オンラインシステムを利用して、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請などを行えます。特定技能もオンライン申請の対象です。
利用には、マイナンバーカードのほか、対応するスマートフォンやマイナポータルアプリなどが必要です。詳しい準備については、出入国在留管理庁のオンライン在留申請の案内を確認してください。
特定技能外国人がマイナンバーカードを取得する流れ
通常のマイナンバーカードは、住民票を作成した後に本人が申請します。入国した空港でそのまま交付されるものではありません。
入国後は住居地を定めた日から14日以内に届け出る
特定技能外国人は、日本で住む場所が決まったら、14日以内に住居地の市区町村で転入などの手続きをします。
窓口には在留カードを持参します。在留カードが後日交付される空港から入国した場合は、「在留カード後日交付」と記載されたパスポートなどを提示します。
個人番号通知書と交付申請書 を受け取る
住民票が作成されると、住民票上の住所へ「個人番号通知書」と「マイナンバーカード交付申請書」が郵送されます。
個人番号通知書は、本人のマイナンバーを知らせる書類です。顔写真付きの身分証明書としては使えません。届く前に転居すると受け取れない可能性があるため、住民票には実際に郵便物を受け取れる住所を登録しましょう。
スマートフォン・郵送・証明写真機などで申請する
交付申請書に記載されたQRコードをスマートフォンで読み取り、顔写真などを登録すればオンラインで申請できます。
郵送やパソコン、一部の証明写真機から申し込むことも可能です。申請方法によって必要なものが異なるため、マイナンバーカード総合サイトで確認しましょう。
交付通知書が届いたら市区町村の窓口で受け取る
カードの交付準備が整うと、市区町村から交付通知書が届きます。申請から通知まではおおむね1か月ですが、自治体の混雑状況などによって前後します。
通知書、在留カードなどの本人確認書類を持参し、指定された窓口で受け取ります。受け取りは本人が原則であり、代理人による受け取りは、病気などのやむを得ない事情がある場合に限られます。
受け取り時に暗証番号を設定する
カードを受け取る際には、電子証明書などに使 用する暗証番号を設定します。主に数字4桁の暗証番号と、英数字6~16文字の暗証番号があります。
忘れた場合や入力を何度も間違えてロックされた場合は、再設定が必要です。本人が管理し、会社の担当者が暗証番号を聞き取ったり、代わりに保管したりしないようにしましょう。
特定技能外国人のマイナンバーカード更新時の注意点
特定技能外国人のカード管理で特に注意したいのが、在留期間とマイナンバーカードの有効期限の関係です。
有効期限は原則として在留期間の満了日までとなる
在留期間に定めがある外国人のマイナンバーカードは、原則として在留期間の満了日まで有効です。
特定技能外国人の在留期間が3年であれば、マイナンバーカードも通常はその在留期限までとなります。カード表面に有効期限が記載されているため、在留カードとあわせて確認しましょう。
在留期間を更新してもカードの有効期限は自動延長されない
在留期間更新の許可を受けても、通常のマイナンバーカードの有効期限は自動で延びません。
新しい在留カードを受け取った後、現在のマイナンバーカードが失効する前に、市区町村で有効期限の変更手続きを行います。手続きを忘れると、在留資格が有効でもマイナンバーカードは使えなくなります。
更新申請中は有効期限を2か月 間延長できる場合がある
在留期間の更新を申請しているものの、マイナンバーカードの有効期限までに許可が下りない場合は、市区町村でカードの有効期限を2か月延長できることがあります。
手続きには、裏面に「在留期間更新許可申請中」と記載された在留カードや、オンライン申請の受付メールなどが必要です。延長は自動ではなく、カードが有効なうちに本人が申請しなければなりません。また、再度の特例延長はできません。各自治体の案内も事前に確認しておきましょう。
期限切れ後は失効し再発行の手数料がかかる
有効期限を過ぎたマイナンバーカードは失効します。失効後に再びカードが必要になった場合は、再交付を申請し、所定の手数料を支払わなければなりません。
期限を過ぎてから在留期間更新中であることを伝えても、さかのぼって有効期限を延長することはできません。更新時期を本人任せにせず、早めに声をかけることが大切です。
住所や氏名が変わった場合も市区町村で手続きする
引っ越した場合は、新しい住居地へ移った日から14日以内に市区町村で届け出ます。通常のマイナンバーカードを持っている場合は、カードの住所情報も更新してもらいます。
氏名、国籍など在留カードの記載事項が変わった場合は、地方出入国在留管理局への届出が必要です。その後、マイナンバーカードの記載内容についても市区町村で変更手続きを行います。
特定技能外国人も申請できる「特定在留カード」とは
特定在留カードは名称に「特定」とありますが、在留資格「特定技能」だけを対象とするカードではありません。住民票のある中長期在留者が対象となるため、特定技能外国人も申請できます。
在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化したカード
特定在留カードとは、在留カードにマイナンバーカードの機能を持たせたカードです。法令上はマイナンバーカードとして扱われ、1枚で両方の役割を果たします。
これまで2枚持ち歩いていたカードを1枚にまとめられるため、本人確認や行政手続で使い分ける手間を減らせます。
2026年6月14日から交付が始まった
特定在留カードの制度は 、2026年6月14日に始まりました。制度開始前に交付された在留カードやマイナンバーカードが、同日から自動的に一体化されたわけではありません。
一体化を希望する人は、対象となる手続きに合わせて申請する必要があります。詳しい申請方法は、出入国在留管理庁の特定在留カード交付申請案内で確認できます。
特定技能外国人が取得するかどうかは任意
特定在留カードの取得も任意です。希望しない場合は、在留カードとマイナンバーカードを別々に持ち続けられます。
一体化しないことを理由に、在留期間更新が不許可になったり、特定技能として働けなくなったりすることはありません。企業が切り替えを強制するのも適切ではありません。
在留期間更新などの手続きに合わせて申請できる
地方出入国在留管理局では、在留期間更新や在留資格変更など、対象となる在留手続に合わせて特定在留カードを申請できます。市区町村でも、国外からの転入届など、対象の住居地届出と同時に申請できる場合があります。
ただし、2026年8月時点では、在留申請オンラインシステムを使った手続と同時に特定在留カードを申請することはできません。オンライン申請を利用するか、窓口で一体化を申し込むかを事前に検討しましょう。
申請から交付まで最短でも2週間前後かかる
通常の在留カードは手続の内容によって即日交付される場合がありますが、特定在留カード は即日で受け取れません。
出入国在留管理庁によると、申請から交付まで最短でも2週間前後かかります。不備や混雑があれば、さらに時間を要する可能性があります。出張や一時帰国を予定している場合は、余裕を持って申請しましょう。
在留手続き後の市区町村への来庁負担を減らせる
通常のマイナンバーカードでは、在留期間更新後に市区町村へ行き、カードの有効期限を変更する必要があります。
特定在留カードなら、対象となる在留手続とカードの更新をまとめて行えるため、在留手続後に改めて市区町村へ出向く負担を減らせます。ただし、住所変更など、別途市区町村への届出が必要な手続まで省略できるわけではありません。
特定技能外国人のマイナンバーカードについて企業が行う支援
特定技能1号では、受け入れ企業または委託を受けた登録支援機関が、生活上必要な行政手続を案内し、必要に応じて同行することが求められます。
住居地の届出やカードの申請方法を案内する
入国直後の特定技能外国人には、住居地の届出期限や必要書類を、本人が理解できる言語で説明しましょう。
マイナンバーカードについては、取得が任意であることを伝えたうえで、申請方法や利用できるサービスを案内します。個人番号通知書が届いたかどうかも確認しておくと安心です。
必要に応じて市区町村の窓口に同行する
日本語に不安がある人は、市区町村から届いた書類を理解できなかったり、窓口で希望する手続きを説明できなかったりすることがあります。
出入国在留管理庁も、特定技能1号の支援として、必要に応じた行政手続への同行や書類作成の補助を挙げています(出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」)。本人の状況を見ながら、受け入れ企業または登録支援機関が対応しましょう。
在留期間とカードの有効期限をあわせて確認する
在留期間更新の予定を管理するときは、マイナンバーカードの有効期限も確認します。
更新申請が在留期限までに終わらない場合は、カードが有効なうちに2か月の特例延長を検討します。会社が本人に代わって一方的に手続きするのではなく、期限と必要書類を早めに伝えましょう。
カードの取得や特定在留カードへの切り替えを強制しない
通常のマイナンバーカードも特定在留カードも、取得するかどうかは本人が決めます。
マイナ保険証やオンライン申請の利便性を説明することは問題ありませんが、「会社の決まりだから必ず作るように」と強制してはいけません。取得しない場合の代替手段も案内しましょう。
取得したマイナンバーは利用目的を限定して厳重に管理する
企業が従業員のマイナンバーを使用できるのは、源泉徴収や社会保険など、法令で認められた事務に限られます。本人の同意があっても、従業員管理など別の目的には使えません。
取扱担当者を限定し、書類やデータへのアクセスを管理する必要があります。保管する必要がなくなった情報は、復元できない方法で廃棄・削除します。詳しくは、個人情報保護委員会の事業者向けガイドラインを確認してください。
マイナンバーカードや在留カードの原本を会社で預からない
企業は、雇用手続に必要な範囲でカードの提示を受け、内容を確認したら本人へ返します。紛失防止などを理由に、マイナンバーカードや在留カードの原本を会社で保管してはいけません。
本人確認書類のコピーにも、マイナンバーなどの重要な情報が含まれます。必要性を確認せずにコピーを取り続けたり、利用後も保管したりしないよう注意しましょう。
特定技能外国人の採用を考えたら|受け入れ適性診断をチェック
マイナンバーカードの申請方法を案内したり、在留期間に合わせて更新時期を知らせたりすることは、特定技能外国人の受け入れ後に行う生活支援の一つです。実際にはこのほかにも、住居地の届出や社会保険の手続き、相談対応など、企業が準備しておきたいことは数多くあります。
「特定技能人材の受け入れ適性診断」では、11項目の質問に答えるだけで、自社の準備状況を確認できます。採用前に見直したい項目に加え、受け入れ後に想定される課題や注意すべきリスクも整理できます。
診断にかかる時間は約1分で、回答後すぐに結果を確認できます。特定技能外国人の採用を始める前に、不足している準備や整えるべき体制を把握するために、ぜひご活用ください。
特定技能とマイナンバーカードに関するよくある質問
マイナンバーカードがなくても雇用手続きはできる?
マイナンバーカードがなくても雇用できます。カードの所持は、特定技能の就労要件ではありません。
税や社会保険の手続に必要なマイナンバーは、個人番号通知書やマイナンバー入りの住民票などで確認できます。番号の確認書類とは別に、在留カードなどによる本人確認が必要になる場合があります。
会社は特定技能外国人にカードの作成を求められる?
制度や利便性を説明し、取得を勧めることはできますが、作成を強制することはできません。
一方、企業が税や社会保険の法定手続を行うために、従業員へマイナンバーの提供を求めることはあります。カードの作成を求めることと、必要な番号の提供を求めることは分けて考えましょう。
在留期間を更新するとマイナンバーも変わる?
在留期間を更新しても、マイナンバーは変わりません。住所変更や一時的な帰国をした場合も、原則として同じ番号を使 い続けます。
マイナンバーが漏えいし、不正に利用されるおそれがあると認められた場合など、例外的な事情があるときに限って変更されます。
マイナンバーカードを紛失した場合はどうする?
紛失に気づいたら、マイナンバー総合フリーダイヤルなどへ連絡し、カードの利用を一時停止します。一時停止は24時間365日受け付けています。外で紛失した場合は警察にも届け出たうえで、市区町村へ再交付を申請します。
特定在留カードを紛失した場合は、在留カードを紛失した場合と同様に、原則として紛失を知った日から14日以内に地方出入国在留管理局で再交付手続を行う必要があります。
帰国するときにマイナンバーカードの手続きは必要?
日本での生活を終えて国外転出届を出す外国人は、市区町村でマイナンバーカードを返納します。返納後、マイナンバーを確認できるよう、穴を開けたカードの返却を受けることも可能です。マイナンバー自体は帰国後も変わらないため、大切に保管しましょう。
一時帰国で住民票を残し、再入国する場合は扱いが異なります。また、特定在留カードは在留カードの機能も持つため、出国方法によって必要な対応が変わります。帰国前に市区町村と地方出入国在留管理局へ確認してください。
特定技能外国人のマイナンバーカード取得・更新を適切に支援しよう
特定技能外国人にも、住民票の作成に伴ってマイナンバーが付番されます。ただし、マイナンバーカードの取得は任意であり、カードを持っていなくても日本で働けます。
受け入れ企業が特に注意したいのは、在留期間を更新しても、通常のマイナンバーカードの有効期限は自動で延長されないことです。期限を過ぎる前に市区町村で手続きできるよう、在留期間の管理とあわせて本人へ案内しましょう。
2026年6月からは、在留カードとマイナンバーカードの機能をまとめた特定在留カードも選べるようになりました。どちらのカードを持つかは本人の判断です。企業は取得を強制するのではなく、制度や手続方法をわかりやすく説明し、必要に応じて窓口への同行などを行いましょう。
