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2026年8月11日 1:48:18
制度・基礎知識
特定技能の費用は誰が負担する?ミャンマー人採用の初期費用・月額費用を解説

特定技能外国人の採用には、人材紹介料や在留資格の申請費用だけでなく、採用後の支援委託料、住居費、給与、社会保険料なども発生します。特にミャンマーから人材を呼び寄せる場合は、現地の送出機関やデマンドレターに関する費用も考慮しなければなりません。
特定技能の費用は、採用ルートや支援方法によって大きく変わります。一般的な初期費用は1人あたり41~65万円程度が目安ですが、海外採用で住居や渡航費まで企業が負担すると、100万円を超えるケースもあります。
本記事では、特定技能の費用相場と負担者、ミャンマー人を採用するときに発生しやすい費用について解説します。
※費用・制度は2026年7月時点の情報です。実際の金額は採用分野、契約内容、制度改正などによって異なります。
特定技能の採用費用:1人あたりの目安はいくら?
特定技能外国人1人を採用し、入国・配属までにかかる費用は、おおむね41~65万円程度が目安です。主な費用の目安は次のとおりです。
項目 | 詳細 | 費用 |
|---|---|---|
紹介手数料 | 人材の紹介・マッチングにかかる費用です。 | 20~30万円 |
在留資格申請シート | 在留資格認定証明書の交付申請や各種書類作成のサポート費用です。 | 10~15万円 |
渡航費用(目安) | 海外からの渡航にかかる航空券や関連費用の目安です。 | 8~15万円 |
その他諸費用 | オリエンテーション、送迎、行政手続きなどの実費・手数料です。 | 3~5万円 |
合計費用 | 上記すべてを含めた、1人あたりの総費用の目安です。 | 41~65万円 |
※弊社にご依頼いただく場合の費用目安です。
※費用は業種・国籍・受け入れ人数・支援内容などにより変動します。
※価格はすべて税別の目安です。
なお、上記には採用後の給与や社会保険料、毎月の支援委託料は含まれていません。採用判断では、初期費用だけでなく、少なくとも1年間の継続費用まで試算しましょう。
特定技能外国人の採用後にかかる費用
住居の確保や生活立ち上げにかかる費用
特定技能1号外国人に対しては、住居探しへの同行、賃貸契約の支援、連帯保証人の確保などが必要です。海外から採用する場合は、入国前に住居を用意するケースも少なくありません。
住居に関して発生する主な費用は、敷金・礼金、保証会社利用料、仲介手数料、火災保険料、家具、家電、寝具、生活用品などです。企業がすべて負担する場 合、1人あたり10万~40万円程度かかる可能性があります。
企業が費用を一時的に立て替え、本人から分割で返してもらう方法もあります。ただし、本人負担とする金額や返済方法は、雇用前に十分説明し、書面で合意しておく必要があります。
給与や社会保険料
特定技能外国人の給与は、同じ仕事に従事する日本人と同等以上に設定しなければなりません。外国人であることを理由に基本給や賞与、手当を低くすることは認められません。(出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」)
また、適用要件を満たす 場合は、日本人従業員と同様に健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険へ加入させます。企業負担分の社会保険料などは、給与のおおむね15%前後が一つの目安ですが、保険料率や業種、年齢などによって変わります。
例えば、月給22万円、支援委託料が月2万8,000円、企業負担の社会保険料が約3万3,000円の場合、毎月の企業負担は約28万1,000円です。これに家賃補助、通勤費、日本語教育費などが加わることもあります。
在留資格の変更・更新にかかる費用
海外から呼び寄せる際の在留資格認定証明書交付申請には、行政上の申請手数料はかかりません。一方、日本国内での在留資格変更許可や在留期間更新許可には、許可時に手数料が必要です。
2026年7月時点では、窓 口申請が6,000円、オンライン申請が5,500円です。行政書士などへ書類作成や申請取次を依頼する場合は、別途3万~20万円程度の報酬が発生します(出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」)。
なお、出入国在留管理庁は、2026年10月1日の施行を想定した在留手続手数料の改定案を公表しています。今後は許可される在留期間に応じて手数料が大きく上がる可能性があるため、申請時点の最新情報を確認してください(出入国在留管理庁「在留許可手数料の額について(案)」)。
退職・帰国時にかかる費用
退職時には、雇用保険や社会保険の手続き、住 居の退去、荷物の処分、空港までの移動などに費用がかかります。登録支援機関へ委託している場合でも、退職・帰国対応が月額料金に含まれているとは限りません。
帰国航空券は原則として本人負担です。ただし、特定技能外国人が帰国費用を負担できない場合は、受入れ企業が航空券代を負担し、円滑に出国できるよう必要な措置を講じなければなりません(出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」)。
突然の退職にも対応できるよう、帰国支援費用や住居の原状回復費用を予備費として見込んでおきましょう。
特定技能の費用は企業と外国人のどちらが負担する?
特定技能1号の支援費用は企業側が負担する
特定技能1号の義務的支援にかかる費用は、受入れ企業が負担します。登録支援機関への委託料を給与から控除したり、「生活サポート費」などの名目で本人から徴収したりすることはできません。
直接的な請求だけでなく、給与を低く設定して実質的に支援費を回収するなど、間接的に負担させることも認められていません。
家賃や食費は実費相当額であれば本人負担にできる
家賃、食費、水道光熱費など、本人が生活上の利益を受ける費用については、実費相当額または合理的な金額であれば本人負担にできま す。
借り上げ社宅の場合は、企業が支払う家賃を入居人数で適切に分けることが基本です。企業が利益を上乗せしたり、空室分まで特定技能外国人に負担させたりしてはいけません。水道光熱費も、実際の請求額を利用人数などで合理的に按分します(出入国在留管理庁「徴収費用の説明書」)。
家具・家電の費用を本人負担にする場合も、品目、金額、所有権、退去時の取扱いを明確にしておきましょう。
本人負担とする費用も事前に明示する
本人負担にできる費用であっても、企業が自由に給与から控除できる わけではありません。家賃、食費、水道光熱費、航空券、在留手続手数料などについて、誰がいくら負担するのかを事前に決める必要があります。
外国人が十分に理解できる言語で内訳を説明し、雇用条件書や徴収費用の説明書に記載しましょう。「実費」とだけ記載するのではなく、月額の見込み、金額が変わる条件、給与から控除する場合の方法まで明示するとトラブルを防げます。
ミャンマー人の特定技能採用で発生しやすい費用
ミャンマー側の送出し手続きに関する費用
ミャンマー在住の人材を特定技能外国人として新たに受け入れる場合、ミャンマー政府認定の送出機関を通じて人材紹介や雇用契約の手続きを進める 必要があります。
送出機関へ支払う費用には、候補者の募集・選考、書類作成、翻訳、現地行政手続き、出国前教育、海外労働身分証明カードなどの取得支援が含まれる場合があります。料金体系は送出機関によって異なるため、業務範囲と支払先を確認しましょう。
一方、すでに日本で暮らしているミャンマー人を採用する場合は、現地の送出機関を通さず直接採用できます。国内採用では送出費用や渡航費を抑えやすいのが特徴です。(出入国在留管理庁「ミャンマー国籍の方々を受け入れるまでの手続の流れ」)
デマンドレターに関連する費用
デマンドレターとは、ミャンマーから人材を採用する企業が提出する求人関係書類です。ミャンマーの認定送出機関を通じて関係当局へ提出し、許可・承認を受けます。
デマンドレターの作成・審査では、翻訳費、書類取得費、国際郵送料、送出機関の手続き代行料などが発生することがあります。在日ミャンマー大使館が案内する特定技能向け必要書類には、受入れ企業と登録支援機関の登記事項証明書、デマンドレター、ミャンマー労働省の書類などが含まれています。(駐日ミャンマー大使館「大使館に送付する必要書類」)
見積もりでは、「送出機関費用」にデマンドレター関連業務が含まれているか、別料金なのかを確認してください。
渡航経路によって航空券や滞在費が変わる
ミャンマーから日本への航空券は、出発地、経由地、渡航時期、予約変更の可否によって金額が変わります。経由便を利用する場合は、預け荷物の追加料金や乗り継ぎ地での滞在費が発生することもあります。
また、ミャンマー側の出国手続きが予定どおり完了せず、航空券の変更・キャンセルが必要になる可能性もあります。変更可能な航空券を選ぶ、出国許可を確認してから発券するなど、スケジュール変更を前提とした手配が重要です。
候補者が借金をしていないか把握する
候補者が仲介業者への高額な手数料を支払うために借金をしていると、来日後の生活が苦しくなり、失踪や早期離職につながるおそれがあります。
面接や事前ガイダンスでは、次の項目を本人へ直接確認し、状況を把握しておきましょう。
誰に、何の名目で、いくら支払ったか
支払いのために借金をしたか
金利、返済期間、保証人はどうなっているか
保証金や違約金を求められていないか
領収書や契約書を受け取っているか
特定技能制度では、本人や家族から保証金を徴収することや、違約金を定める契約に関与することは認められていません。問題が見つかった場合は採用を急がず、送出機関や紹介会社へ事実確認を行う必要があります。
特定技能の費用を抑える方法
見積書の範囲を統一して比較する
複数社から見積もりを取る場合は、同じ条件にそろえて比較します。少なくとも、人材紹介、送出手続き、在留資格申請、義務的支援、通訳、空港送迎、住居支援、更新手続き、退職対応を項目別に確認しましょう。
「一式」と記載された見積書では、追加費用が発生する条件が分かりません。返金規定や早期退職時の取扱いも確認することが重要です。
複数人を同時に採用する
複数人を同時に採用すると、面接、書類作成、渡航、空港送迎、生活オリエンテーションなどをまとめられるため、1人あたりの費用を抑えられる可能性があります。
行政書士報酬や人材紹介料について、人数に応じた割引が設定されていることもあります。ただし、複数人を同じ住居に入れる場合は、十分な居住面積とプライバシーを確保してください。
自社支援は人件費を含めて判断する
登録支援機関へ委託せず、要件を満たした企業が自社支援を行えば、月額委託料を削減できます。
ただし、自社支援には、母国語での相談対応、定期面談、行政手続きへの同行、支援記録の作成、緊急時対応などが必要です。担当者の給与、通訳費、交通費、教育費まで含めると、少人数の受入れでは外部委託の方が安いこともあります。
「委託料がゼロになるか」ではなく、支援に必要な社内工数を金額に換算して比較しましょう。
定着支援によって再採用費用を防ぐ
最も大きなコスト削減策は、採用した人材に長く働いてもらうことです。早期退職が発生すると、紹介料、在留資格申請費、住居準備費、教育費をもう一度負担することになります。
ミャンマー語で相談できる担当者を決める、定期面談を行う、給与と控除額を丁寧に説明する、キャリアアップの道筋を示すなど、定着支援へ予算を配分しましょう。支援費を過度に削るより、離職を防いだ方が中長期的な総費用を抑えられます。
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まとめ:特定技能の費用は初期費用と継続費用を分けて考えよう
特定技能外国人の採用では、初期費用として1人あたり41~65万円程度を見込み、さらに給与、社会保険料、支援委託料などの継続費用を計算する必要があります。
特定技能1号の義務的支援にかかる費用は企業負担です。一方、家賃や食費、水道光熱費などは、実費相当額を事前に明示して合意すれば本人負担にできます。
ミャンマーから人材を採用する場合は、送出機関、デマンドレター、出国手続き、渡航経路に関する費用も確認しましょう。初期費用と月額費用を分け、負担者とサービス範囲を明確にすることが、無理のない採用計画と安定した人材定着につながります。
