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2026年5月30日 17:44:01
制度・基礎知識
ミャンマー人を特定技能「介護」で採用するには?要件や流れ・メリット・注意点を解説

介護現場の人手不足を背景に、特定技能「介護」でミャンマー人材を採用する動きが広がっています。特定技能「介護」は、一定の介護技能と日本語力を持つ外国人材を受け入れるための在留資格であり、採用できれば人員体制の安定や職員の負担軽減につながる可能性があります。
一方で、ミャンマー人材の採用では、日本側の在留資格手続きに加え、ミャンマー側の送出し手続きや現地情勢への配慮も欠かせません。介護分野の特定技能協議会への加入や、採用後の支援体制づくりも必要です。
本記事では、ミャンマー人を特定技能「介護」で採用するための要件や流れ、メリット、注意点をわかりやすく解説します。
ミャンマー人を特定技能「介護」で採用する前に知っておきたい基本
まずは、ミャンマー人を特定技能「介護」で採用する前に知っておきたい基礎知識を取り上げます。
特定技能「介護」で従事できる主な業務
特定技能「介護」で従事できる主な業務は、利用者の心身の状況に応じた身体介護や、それに付随する支援業務です。具体的には、入浴、食事、排せつの介助など、介護現場で日常的に発生する業務が中心になります。
あわせて、レクリエーションの実施や機能訓練の補助など、身体介護に関連する業務を担当することもあります。ただし、介護業務と関係のない作業だけを任せることはできません。清掃や配膳、記録補助などを行う場合でも、介護業務に付随する範囲であることが前提です。
特定技能「介護」と技能実習「介護」の違い
特定技能「介護」と技能実習「介護」は、どちらも外国人が介護分野で働ける在留資格ですが、制度の目的や採用時の考え方が異なります。
技能実習は、技能を母国へ移転することを目的とした制度です。一方、特定技能は、人手不足が深刻な分野で、一定の技能と日本語力を持つ外国人材を受け入れる制度です。そのため、特定技能「介護」は、介護現場の人材確保を目的として活用しやすい在留資格といえます。
項目 | 特定技能「介護」 | 技能実習「介護」 |
|---|---|---|
制度の目的 | 人手不足分野での就労 | 技能移転・人材育成 |
採用時の要件 | 介護技能評価試験、介護日本語評価試験、日本語試験などに合格 | 技能実習計画に基づいて受け入れる |
転職 | 同じ分野など一定の条件を満たせば可能 | 原則として自由な転職は難しい |
受け入れ後の支援 | 特定技能1号では支援計画に基づく支援が必要 | 監理団体や実習実施者による管理・指導が中心 |
長期就労 | 分野や条件によって将来的な継続就労を検討できる | 実習期間に上限がある |
企業側から見ると、技能実習は育成色が強く、特定技能は一定の基礎力を持つ人材を現場の担い手として受け入れやすい制度です。ただし、特定技能であっても、入職後すぐに日本人職員と同じように働けるとは限りません。介護記録の書き方、利用者との接し方、施設内のルール、緊急時の対応などは、現場で丁寧に教える必要があります。
また、技能実習2号を良好に修了した人材は、条件を満たせば特定技能「介護」へ移行できる場合があります。すでに日本の介護現場を経験している人材であれば、職場への適応が比較的スムーズに進む可能性があります。
ミャンマー人を特定技能「介護」で採用するメリット
ミャンマー人を特定技能「介護」で採用することは、介護現場の人手不足を補うだけでなく、職場の教育体制や受け入れ体制を見直すきっかけにもなります。
以降で、主なメリットを詳しく解説します。
介護現場の人手不足解消につながる
特定技能「介護」でミャンマー人材を採用するメリットは、介護現場の人手不足を補いやすい点です。
介護施設では、身体介護、見守り、記録、レクリエーション補助など多くの業務があり、人員が不足すると既存職員の負担増加やシフト調整の難しさ、サービス品質の低下につながるおそれがあります。ミャンマー人材を受け入れることで、現場の人員体制を強化でき、早番・遅番などのシフトにも対応しやすくなる可能性があります。
ただし、採用後すぐにすべての課題が解決するわけではありません。施設の業務手順、利用者への接し方、記録方法、緊急時対応などは、入職後に丁寧に教える必要があります。また、介護分野では受け入れ人数に上限があるため、自施設で何人まで採用できるか事前に確認しておくことが重要です。
一定の介護知識・日本語力を持つ人材を採用できる
特定技能「介護」でミャンマー人材を採用する場合、介護知識や日本語力を事前に確認しやすい点もメリットです。原則として、介護技能評価試験や介護日本語評価試験などに合格しているため、介護の基本や現場で使う言葉を一定程度理解した人材を受け入れられます。
介護現場では、利用者の体調変化への気づきや職員間の情報共有が欠かせません。日本語でのやり取りに不安があると、申し送りや緊急時対応で誤解が生じる可能性があります。そのため、採用前に日本語力や介護用語の理解度を確認できることは、施設にとって安心材料になります。
ただし、試験に合格していても、すぐに現場へなじめるとは限りません。方言、利用者との会話、記録方法、施設独自のルールなどは入職後に学ぶ必要があります。試験結果だけでなく、面接での受け答えや学習意欲、介護への姿勢も確認することが大切です。
若手人材の採用につながりやすい
ミャンマー人材の採用は、若手の介護人材を確保しやすい点がメリットです。日本では介護職の採用競争が続いており、若い人材を安定して採用することが難しい施設もあります。ミャンマー人材の中には、日本で介護を学びながら長く働きたいと考える人もおり、将来を見据えた人員体制づくりにつながります。
入職直後は、業務や日本での生活に慣れるまで時間がかかる場合がありますが、支援体制を整えて段階的に育成すれば、長く現場を支える人材に成長する可能性があります。また、若い人材が加わることで、職場の雰囲気が明るくなり、既存職員が教育方法を見直すきっかけにもなります。
一方で、住まい、通勤、買い物、病院、行政手続きなど、生活面の不安を抱えやすいため、仕事と生活の両面で受け入れ体制を整えることが大切です。
施設全体の教育体制を見直すきっかけになる
ミャンマー人を特定技能「介護」で受け入れることは、施設の教育体制を見直すきっかけになります。外国人材に業務を教えるには、これまで口頭や経験に頼っていた内容を、誰にでも分かる形で整理する必要があるためです。
たとえば、入浴介助、移乗介助、食事介助、記録方法、緊急時の連絡手順などをマニュアル化すれば、ミャンマー人材だけでなく、日本人の新人職員にも伝えやすくなります。写真や動画を活用すれば、日本語に不安がある人にも理解してもらいやすくなるでしょう。
また、指導担当者を決めたり、定期面談を行ったりする仕組みを整えることで、教え方のばらつきや教育の属人化を防ぎやすくなります。受け入れ準備を通じて、施設全体の教育品質を高められる点も大きなメリットです。
ミャンマー人を特定技能「介護」で採用するための要件
ここでは、ミャンマー人材が特定技能「介護」の在留資格を取得するために満たすべき要件を解説します。候補者の学歴や職歴、これまでの在留資格によって、必要な試験や手続きが変わります。
ミャンマー人本人に求められる要件
特定技能「介護」を取得する主な方法は、次の3つです。
①介護技能評価試験と日本語試験に合格する
もっとも一般的な方法は、介護分野で必要な試験に合格するルートです。特定技能「介護」では、実技試験は行われず、介護に関する知識や日本語力を確認する試験に合格する必要があります。
具体的には、次の試験が対象です。
介護技能評価試験
日本語能力試験(JLPT)N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)200点以上
介護日本語評価試験