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2026年5月30日 17:44:01
制度・基礎知識
ミャンマー人を特定技能で採用する方法は?流れやメリット・注意点も解説

人手不足が深刻化するなか、介護、外食、宿泊、製造、農業などの分野では、特定技能外国人としてミャンマー人材を採用する動きが広がっています。
ミャンマーには若年層が多く、日本で働く意欲を持つ人材もいます。一方で、採用時には日本側の在留資格手続きだけでなく、ミャンマー側の送出し手続きや現地情勢も確認しなければなりません。採用ルート、送出し機関、必要書類、費用負担、来日後の支援体制まで把握し、適正な受け入れを進めることが重要です。
本記事では、ミャンマー人を特定技能で採用する基本的な流れや、受け入れるメリット、企業が注意すべきポイントをわかりやすく解説します。初めてミャンマー人材の採用を検討する企業担当者に向けて、手続きの全体像や確認事項を整理していますので、ぜひ参考にしてください。
特定技能の在留資格を持つミャンマー人の最新動向
現在、特定技能制度の中で、ミャンマー人材の存在感が高まっています。
出入国在留管理庁が公表した令和7年12月末時点の速報値では、特定技能の在留外国人は全体で390,296人に達しています。そのうちミャンマーは44,315人で、構成比は11.6%です。国籍別では、ベトナム、インドネシアに次ぐ上位国となっており、令和7年6月末の35,557人から半年で大きく増加しています(※1)。
日本全体で見ても、ミャンマー国籍の在留者は増加傾向にあります。令和7年末時点の在留外国人数では、ミャンマーは182,567人で、前年末から47,993人増えています。国籍・地域別では8番目に多く、留学や技能実習、特定技能などを含め、日本で生活・就労するミャンマー人が広がっている状況です(※2)。
こうした増加の背景には、日本側の人手不足だけでなく、ミャンマーの若年層が海外就労先として日本を選ぶ動きがあると考えられます。介護や外食、飲食料品製造、工業製品製造、農業、宿泊などでは、現場の担い手を確保する手段として、ミャンマー人材への関心が高まっています。
※1:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和7年12月末)のポイント」
※2:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」
ミャンマー人を特定技能で採用するメリット
ミャンマー人材を特定技能で 採用するメリットは、人手不足の補完にとどまりません。若い働き手を確保しやすいこと、一定の技能や日本語力を確認したうえで採用できること、職場の雰囲気や組織づくりによい変化を生みやすいことなど、企業にとってさまざまな利点があります。
以下では、ミャンマー人を特定技能で採用するメリットについて詳しく解説します。
若年層の人材確保につながりやすい
ミャンマー人材を採用するメリットは、若い働き手を確保しやすい点です。介護、外食、宿泊、製造、農業などでは人手不足が続いており、国内採用だけで必要な人材を安定的に集めるのが難しい企業もあります。特定技能制度を活用すれば、日本で技能を身につけながら長く働きたいと考える人材を、現場の担い手として受け入れられます。
若年層の採用は、単なる欠員補充にとどまりません。現場の年齢 構成を見直し、将来を見据えた人員体制を整えるきっかけになります。また、新しい人材が加わることで、既存社員の業務負担を軽減しやすくなり、シフトの安定にもつながります。長期的な人材確保を考える企業にとって、ミャンマー人材の採用は有効な選択肢の一つです。
一定の技能・日本語力を持つ人材を採用できる
特定技能で働く外国人は、原則として分野ごとの技能試験と日本語試験に合格しているため、採用前に一定の技能や日本語でのコミュニケーション力を確認できます。介護なら介護技能や介護日本語、外食業なら接客や衛生管理、飲食料品製造業なら食品を扱う知識など、業務に関わる基礎力を見極められる点がメリットです。
ただし、試験に合格していても、すぐに現場で即戦力として働けるとは限りません。業務手順や職場のルール、安全衛生、接客表現などは入社後に丁寧に教える必要があります。それでも、基本的な知識を持つ人材を採用できるため、未経験者を一から育てるよりも、現場になじむまでの時間を短くできる可能性があります。
職場の多様性や組織活性化につながる
ミャンマー人材の受け入れは、職場の多様性を高めるだけでなく、組織改善のきっかけにもなります。異なる文化や価値観を持つ人材に業務を教えるには、作業手順をわかりやすく整理し、マニュアルや教育方法を見直す必要があります。その結果、日本人社員にとっても業務内容を理解しやすくなり、教育の属人化を防ぎやすくなります。
また、あいまいな指示を減らし、誰にでも伝わる説明やルールづくりを意識することで、新人教育や現場管理の質も高まります。ミャンマー人材の採用は、単なる人員補充ではなく、職場の課題を見直し、働きやすい環境を整える機会にもなります。
将来的な人材定着も見込める
ミャンマー人材を特定技能で採用する場合、受け入れ後の支援体制を整えることで、長期的な定着を期待できます。特定技能1号には在留期間の上限がありますが、分野によっては特定技能2号へ移行でき、より長く働ける可能性があります。
定着に向けて大切なのは、採用時から来日後の働き方や生活面まで見据えて準備することです。給与、勤務時間、仕事内容を分かりやすく説明し、住居、行政手続き、生活ルール、日本語学習などを支援すれば、本人の不安を軽減できます。特に初めて日本で働く人材には、相談できる窓口を用意し、職場で孤立しないよう配慮することが重要です。
ミャンマー人を特定技能で採用する際の注意点
ミャンマー人材を特定技能で採用する際は、在留資格の申請だけでなく、ミャンマー側の送出し手続きや来日後の支援体制まで含めて確認する必要があります。
本章では、ミャンマー人を特定技能で採用する際の注意点を詳しく解説します。
スマートカードを計画的に申請する
ミャンマーの人材が海外で働く際は、OWICと呼ばれる海外労働身分証明カード、いわゆるスマートカードが必要になる場合があります。スマートカードは国外就労に関わる重要な書類であり、発行までに時間がかかることもあるため、来日や入社のスケジュールに影響する可能性があります。
在留資格認定証明書が交付されてから準備を始めると、来日予定に間に合わないおそれがあります。そのため、受入企業は、候補者にスマートカードが必要か、いつ申請するのか、本人・送出し機関・登録支援機関の誰が対応するのかを早めに確認することが大切です。
また、発行見込みや遅延した場合の対応も事前に整理しておく必要があります。スマート カードの取得が遅れると、入社日の変更や在留資格認定証明書の有効期限管理にも関わります。送出し機関任せにせず、進捗を把握しながら余裕を持って採用計画を立てましょう。
ミャンマー人の宗教・文化・生活習慣を十分に理解しておく
ミャンマー人材を受け入れる際は、宗教や文化、生活習慣の違いを理解しておくことが重要です。ミャンマーは仏教徒が多い一方、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教などを信仰する人もおり、出身地域や家庭環境によって食事や休日、行事への考え方が異なります。
企業側は、食べられないものや寮での生活環境、宗教行事への配慮、家族との連絡時間など、本人が困りやすい点を事前に確認しておく必要があります。また、日本の職場でよくある「あいまいな指示」や「空気を読む」対応は伝わりにくい場合があります。業務内容や禁止事項は、文書・写真・マニュアルを使って具体的に伝えることが大切です。
文化の違いを前提に受け入れ体制を整えることで、本人の不安を減らし、職場全体の働きやすさ向上にもつながります。
定着率を高めるために採用後の支援体制を整えておく
ミャンマー人材を採用する際は、入社前の手続きだけでなく、来日後に安心して働き続けられる環境づくりが重要です。特定技能1号の受入機関には、生活オリエンテーションや相談対応などの支援が求められますが、制度上の対応に加え、職場での丁寧なフォローも定着率を左右します。
来日直後は、住居、銀行口座、携帯電話、行政手続き、通勤、病院の利用など、生活面で不安を抱えやすい時期です。最初の数カ月は、仕事と生活の両面でこまめに声をかけることが大切です。
業務面では、指導担当者を決め、段階的に仕事 を覚えてもらう体制を整えましょう。図や写真、動画を使ったマニュアルを用意すると、日本語に不安がある人材にも伝わりやすくなります。支援体制を整えることは、本人の安心だけでなく、現場の教育負担軽減や早期離職の防止にもつながります。
悪質な仲介業者に注意する
ミャンマー人材を採用する際は、悪質な仲介業者の関与にも注意が必要です。不透明な仲介業者が入ると、候補者本人が高額な手数料や根拠のわかりにくい費用を負担している場合があります。来日前から借金を抱えると、生活不安や不満につながり、早期離職や失踪などのリスクが高まるおそれがあります。
受入企業は、送出し機関や紹介会社を選ぶ際に、ミャンマー政府認定の機関か、費用の内訳や本人負担額が明確か、契約書や返金条件が整っているかを確認することが大切です。
また、候補者本 人が母語などで十分な説明を受け、内容を理解しているかも確認しましょう。「早く紹介できる」「安く採用できる」といった言葉だけで判断せず、手続きの透明性を重視することが、本人の安心と企業のリスク回避につながります。
ミャンマー人を特定技能で採用する方法・流れ【ケース別】
ミャンマー人を特定技能で採用する方法は、候補者が「海外にいるか」「すでに日本国内にいるか」によって流れが変わります。
海外在住のミャンマー人を採用するケース
海外在住のミャンマー人を特定技能で採用する場合は、ミャンマー政府認定の送出し機関を通じて進める必要があります。
まず、受入企業が認定送出し機関に求人票を提出し、送出 し機関がミャンマー労働・入国管理・人口省(MOLIP)へ申請します。その後、関係機関による確認・承認を経て、人材募集と紹介が始まります。
候補者が決まったら、企業と本人が雇用契約を結び、事前ガイダンスや健康診断を実施します。あわせて、受入企業は支援計画を作成し、地方出入国在留管理官署へ在留資格認定証明書の交付を申請します。
一方、候補者本人は、海外就労に必要なOWIC、いわゆるスマートカードを申請します。在留資格認定証明書とスマートカードなどの準備が整った後、在ミャンマー日本国大使館で査証を申請し、発給後に日本へ入国します。入国後は、特定技能外国人として正式に就労を開始します。
国内在住のミャンマー人を採用するケース
国内在住のミャンマー人を特定技能で採用する場合は、日本国内で求人を行い、応募者が特定技能の要件を 満たしているかを確認するところから始まります。その後、雇用契約を結び、事前ガイダンスや健康診断を実施し、支援計画を作成したうえで、地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可を申請します。必要に応じて、本人が在日ミャンマー大使館でパスポート更新手続きを行い、許可後に就労を開始します。
すでに日本で生活している留学生や技能実習生は、日本の生活や職場文化に慣れているため、海外から呼び寄せる場合に比べてミスマッチを抑えやすい点がメリットです。特に技能実習2号を良好に修了した人材は、分野によって技能評価試験などが免除される場合があり、特定技能への移行を進めやすい人材といえます。
弊社にご相談いただいたケース
弊社にご相談いただいた場合、特定技能人材の採用は次の流れで進みます。
流れ | 詳細 |
|---|---|
①お問い合わせ・相談 | 貴社の採用状況や人材ニーズを丁寧に伺い、業種や受け入れ体制に合った採用プランをご提案します。 |
②人材のご提案・選定 | 面接や選考を通じて、仕事内容や職場に合う人材を見極め、採用する候補者を決定します。 |
③雇用契約・手続き | 雇用契約の締結や在留資格申請など、受け入れに必要な手続きをサポートします。初めて特定技能人材を採用する企業でも、安心して進められるように支援します。 |
④入国・配属 | 入国後は、配属やOJTを経て、実際の業務に慣れてもらいます。職場に定着し、戦力として活躍できるよう、受け入れ後のフォローも行います。 |
弊社では、配属後のフォローや定期的な面談を通じて、人材が安心して働ける環境づくりを支援します。貴社に最適な人材の受け入れを柔軟にサポートいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
ミャンマー人を特定技能で採用する際にかかる費用
以下に、特定技能ミャンマー人の採用 から入国・配属までにかかる費用の目安をまとめました(弊社にご相談いただいたケース)。
項目 | 概要 | 費用の目安 |
|---|---|---|
紹介手数料 | 人材の紹介・マッチングにかかる費用 | 20~30万円 |
在留資格申請シート | 在留資格認定証明書の交付申請や各種書類作成のサポート費用 | 10~15万円 |
渡航費用 | 海外からの渡航にかかる航空券や関連費用 | 8~15万円 |
その他諸費用 | オリエンテーション、送迎、行政手続きなどの実費・手数料 | 3~5万円 |
合計費用 | 上記すべてを含めた、1人あたりの総費用 | 41~65万円 |
※費用は業種・国籍・受け入れ人数・支援内容などにより変動します。
※価格はすべて税別の目安です。
上記の費用には、以下のサポートが含まれます。
人材の紹介・選定:貴社のご要望に合った人材をご提案します
各種申請サポート:在留資格申請など各種手続きを代行します
入国・配属サポート:入国手続きから配属後のフォローまで支援します
生活支援・定着支援:生活オリエンテーションや相談対応を行います
定期面談・フォロー:配属後も定期的に面談し、安定就労を支援します
トラブル対応:万が一のトラブルにも迅速に対応します
特定技能外国人の採用を考えたら|適性診断チェック
自社が特定技能人材の採用に向いているか、まずは簡単に確認してみませんか。
11個の質問に答えるだけで、貴社の採用適性や想定されるリスク、採用を成功させるためのポイントを把握できます。診断は約1分で完了し、回答後すぐに結果を確認できます。
診断結果をもとに、貴社の状況に合わせた具体的な対策もわかります。特定技能人材の採用を検討している企業は、受け入れ準備の第一歩としてぜひご活用ください。
よくある質問
最後に、特定技能ミャンマー人の採用を検討している企業様からよくある質問と回答をまとめました。
特定技能ビザを持つミャンマー人の受け入れが可能な業種は?
特定技能人材を受け入れられる分野は、令和7年10月時点で16分野とされています。
介護
ビルクリーニング
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(工業製品製造業分野に名称変更)
建設
造船・舶用工業
自動車整備
航空
宿泊
自動車運送業
鉄道
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業
林業
木材産業
各分野では、外国人材に任せられる「主たる業務」と、それに付随する「関連業務」が定められています。ただし、関連業務だけを中心に担当させることは認められていないため、業務内容を決める際は注意が必要です。
なお、2026年1月23日には、「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野を新たに追加することが閣議決定されました。これにより、特定技能制度の対象分野は19分野へ拡大されています。
特定技能ビザを持つミャンマー人は転職できる?
特定技能ビザを持つミャンマー人は、一定の要件を満たせば転職できます。技能実習とは異なり、転職自体は認められていますが、別の企業で働くには在留資格変更許可申請 が必要です。申請中は原則として転職先で働けないため、収入が途切れる可能性にも注意しなければなりません。
転職するには、本人だけでなく転職先企業も要件を満たす必要があります。企業側は、特定技能の受け入れ対象分野に該当していること、協議会へ加入していること、特定技能1号の支援計画を整えていることなどが求められます。本人側も、素行や納税状況、届出義務の履行、適正な雇用条件などが確認されます。
また、特定技能外国人は、パスポートに添付される指定書に記載された企業・分野・業務でしか働けません。そのため、転職時には新しい受入企業の協力を得て、改めて申請を行う必要があります。書類準備や支援体制の整備が必要になるため、転職先企業の理解と協力が欠かせません。
ミャンマー人を特定技能で採用する方法まとめ
特定技能ミャンマー人の採用は、若年層の確保や一定の技能・日本語力を持つ人材の受け入れにつながる一方で、スマートカードの申請、送出し機関の選定、費用負担、文化・生活習慣への配慮など、確認すべき点も少なくありません。
受入企業は採用スピードだけを重視するのではなく、適正なルートで手続きを進めることが大切です。候補者本人が費用や労働条件を十分に理解しているか、来日後に安心して働ける支援体制が整っているかを確認しましょう。
ミャンマー人の特定技能採用を成功させるには、採用前の準備と採用後のフォローの両方が欠かせません。制度の流れを理解し、信頼できる送出し機関や登録支援機関と連携しながら、本人と企業の双方にとって無理のない受け入れ体制を整えることが重要です。
