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2026年10月4日 16:40:03

​制度・基礎知識

ミャンマーのスマートカード申請とは?OWICの取得方法・必要書類と出国時の注意点

ミャンマー人材を海外から採用する際は、日本側の在留資格や査証だけでなく、ミャンマー側の出国手続も進めなければなりません。そのなかで重要になるのが、「スマートカード」と呼ばれるOWICです。


OWICが発行されていなければ、日本の在留資格認定証明書や査証を取得していても、就労目的で出国できない可能性があります。入社日の延期を避けるには、受入れ企業も申請の流れや必要書類を理解し、送出機関任せにしないことが大切です。


本記事では、ミャンマーのスマートカード申請について、取得までの手順、必要書類、費用、出国時の注意点を解説します。


※制度・運用に関する情報は2026年9月時点のものです。ミャンマー側の手続は変更されることがあるため、申請時には労働省、在日ミャンマー大使館、送出機関などから最新情報を確認してください。


ミャンマーのスマートカード申請とは


スマートカードの正式名称はOWIC

ミャンマーのスマートカードとは、「Overseas Worker Identification Card」の略称であるOWICを指します。日本語では「海外労働者識別カード」などと訳され、海外で働くミャンマー人に発行されるカードです。


日本の在留カードや査証とは別のものであり、ミャンマー政府が海外就労者を管理するための制度として運用しています。


ミャンマー人の海外就労情報を登録するためのカード

OWICには、本人の氏名やパスポート情報のほか、勤務先、就労国、契約内容など、海外就労に関する情報がひも付けられます。


ミャンマー政府が「誰が、どの国の、どの企業で働くのか」を確認する仕組みと考えるとわかりやすいでしょう。


海外で働くミャンマー人の本人確認にも使用される

OWICは、海外就労者であることを示す本人確認書類としても使われます。空港での出国確認や、海外就労に関する行政手続で提示を求められることがあります。


ただし、OWICを持っているだけで日本に入国できるわけではありません。日本側の在留資格認定証明書や査証も別途必要です。


ミャンマーから就労目的で出国する際に必要となる

特定技能や技能実習などの目的でミャンマーから出国する人は、原則としてOWICを取得する必要があります。出入国在留管理庁が示すミャンマーの特定技能手続でも、ミャンマー労働省へのOWIC申請が出国前の手続に位置付けられています。


査証が発給されていても、OWICや出国承認を確認できなければ搭乗できない可能性があるため注意が必要です。


申請先はミャンマー労働省の関係機関

OWICの発行を管理するのは、ミャンマー労働省やDepartment of Labourなどの関係部署です。実際の申請では、政府認定の送出機関が予約、書類確認、労働省との連絡を支援するケースが一般的です。


申請窓口や受付方法は変わることがあるため、古い案内だけを頼りに進めるのは避けましょう。


原則として就労予定のミャンマー人本人が申請する

申請者は、原則として海外で働く本人です。受入れ企業や送出機関が本人に代わってカードを取得するものではありません。


一方、企業側が用意する雇用契約書や求人関係書類も必要になるため、本人だけで手続を完結できるわけでもありません。三者で進捗を共有することが重要です。


ミャンマーのスマートカード申請が必要になる人


特定技能として日本で働くために出国する人

ミャンマーから特定技能外国人として来日する場合は、OWICの対象となります。特定技能試験や日本語試験に合格していても、OWICの取得が遅れれば予定どおり出国できません。


日本側の申請と並行して、ミャンマー側の準備状況も確認しましょう。


技能実習生として日本へ入国する人

技能実習生も、就労を伴う目的で出国するためOWICが必要です。監理団体、実習実施者、送出機関の間で、技能実習計画と雇用条件に食い違いがないか確認する必要があります。


育成就労制度を利用して来日する人

育成就労制度は、技能実習制度に代わる制度として2027年4月に施行されます。厚生労働省の制度案内でも、施行時期は令和9年4月とされています。


制度開始後にミャンマーから育成就労で来日する人についても、海外就労者としてミャンマー側の手続が必要になると考えられます。ただし、OWICの具体的な運用は、施行後の二国間取決めや労働省の案内を確認してください。


ほかの就労資格で海外勤務する人も対象になり得る

「技術・人文知識・国際業務」など、特定技能や技能実習以外の在留資格で日本企業に就職する人も、ミャンマーから就労目的で出国する場合は対象になり得ます。


日本の在留資格名だけで判断せず、出国目的とミャンマー側の登録区分を確認しましょう。


留学や観光を目的とする渡航者とは手続が異なる

留学や観光を目的とする人は、通常の海外就労者とは手続が異なります。ただし、観光目的の旅券や査証を使い、実際には海外で働こうとすることは認められません。


渡航目的に合ったパスポート、査証、在留資格を取得する必要があります。


日本在住者を採用する場合は海外から呼び寄せる手続と異なる

すでに日本で適法に暮らしているミャンマー人を採用する場合、国内での在留資格変更にOWIC申請が直ちに必要になるとは限りません。


ただし、採用後に本人がミャンマーへ一時帰国し、就労者として再出国するときは、PJパスポートやOWICを求められる可能性があります。一時帰国の航空券を購入する前に確認しておくと安心です。


技能実習から特定技能へ変更する場合も確認が必要

日本国内で技能実習から特定技能へ変更する場合は、出入国在留管理庁での在留資格変更が中心となります。ミャンマーから新たに出国する場面ではないため、海外から呼び寄せる場合と同じ手続になるとは限りません。


もっとも、変更後に帰国する予定がある場合は、再出国に備えてOWICの更新や新規取得が必要か、事前に確認してください。


ミャンマーのスマートカードを申請するまでの流れ


ミャンマー政府が認定した送出機関を確認する

最初に、手続を依頼する送出機関がミャンマー政府の認定を受けているか確認します。認定状況は更新されることがあるため、過去の資料や紹介者の説明だけで判断してはいけません。


会社名だけでなく、認定番号や所在地、契約相手の法人名まで照合しましょう。


求人票(デマンドレター)の許可・承認を受ける

受入れ企業の求人内容は、デマンドレターと呼ばれる書類にまとめ、ミャンマー側の審査・承認を受けます。


職種、勤務地、賃金、労働時間、控除項目などが審査対象です。在日ミャンマー大使館も、特定技能や技能実習の手続書類としてデマンドレターと労働省のForwarding Letterを案内しています。詳しくは在日ミャンマー大使館の必要書類を確認してください。


候補者を選考して雇用契約を締結する

求人手続を進めたうえで候補者を選考し、雇用条件を説明して契約を結びます。本人が理解していない日本語の契約書に署名させるのではなく、ミャンマー語の対訳や通訳を用意することが重要です。


デマンドレターと雇用契約書で、給与や業務内容が異ならないようにします。


日本で在留資格認定証明書を申請する

雇用契約後、受入れ企業や申請取次者が日本で在留資格認定証明書、いわゆるCOEを申請します。


OWICは日本の在留資格を証明するものではないため、日本側の審査は別に受けなければなりません。


交付された在留資格認定証明書を本人へ送付する

COEが交付されたら、電子データまたは写しを本人や送出機関に共有します。氏名、生年月日、パスポート番号などに誤りがないか、送付前に確認しましょう。


表記が書類ごとに異なると、OWICや査証の申請が止まる原因になります。


必要書類をそろえてスマートカードを申請する

本人は、パスポート、雇用契約書、承認済みの求人関係書類、COEなどをそろえてOWICを申請します。


書類の種類や提出順序は、その時点の運用や在留資格によって異なります。送出機関から提出書類の一覧を受け取り、不足がないか本人と一緒に確認してください。


申請者として公表された後にカードを受け取る

労働省などから申請対象者の一覧、手続日、支払期限が案内される方式が取られることがあります。本人は氏名やパスポート番号を確認し、指定された期日までに支払い、登録、受取りを進めます。


一覧への掲載方法や受取場所は一定ではないため、送出機関から原文の案内を共有してもらいましょう。


在ミャンマー日本国大使館で査証を申請する

OWICに関する手続とあわせて、在ミャンマー日本国大使館へ査証を申請します。査証は日本への入国審査を受けるためのものであり、OWICとは役割が異なります。


両方の手続が進んでいるかを別々に管理し、「OWICが出たので来日できる」と早合点しないことが大切です。


出国前の承認を得て日本へ入国する

OWICと査証がそろった後も、出国者情報や航空便の事前申告などを求められる場合があります。空港へ行けば必ず出国できるわけではありません。


送出機関に出国承認の完了を確認してから航空券を確定し、当日はパスポート、OWIC、査証、雇用関係書類をすぐに提示できるよう準備します。


ミャンマーのスマートカード申請で必要になる主な書類

OWICの必要書類は申請時期や就労ルートによって変わります。以下は一般的に確認される書類であり、すべての申請に同じ組み合わせが適用されるとは限りません。


就労用パスポート(PJ)の原本・写し

海外就労では、原則として就労用のPJパスポートを使用します。有効期限だけでなく、氏名のアルファベット表記やパスポート番号がほかの書類と一致しているか確認してください。


国民登録証などの本人確認書類

ミャンマーの国民登録証など、国籍や本人情報を確認できる書類が必要です。住所や氏名の表記がパスポートと異なる場合は、追加の説明書類を求められることがあります。


日本企業との雇用契約書

雇用契約書では、勤務先、業務内容、契約期間、賃金、労働時間などが確認されます。署名済みの契約書に加え、労働条件通知書や母国語の対訳を準備する場合もあります。


承認された求人票・デマンドレター

ミャンマー側で承認されたデマンドレターやForwarding Letterなども重要な書類です。承認前の案や、雇用条件が古いままの書類を提出しないよう注意しましょう。


在留資格認定証明書の写し

日本で交付されたCOEの写しを提出します。電子交付の場合は、指定された形式で印刷またはデータ共有を行います。


COEには有効期間があるため、OWICの発行を待っている間に期限が迫っていないか定期的に確認してください。


日本の査証や渡航予定を確認できる書類

運用によっては、査証ページの写しや航空便の予約情報、渡航予定表などを求められます。


基本的な手続案内ではOWIC申請後に査証を申請する流れが示される一方、OWICの最終確認段階で査証情報を求められるケースもあります。提出時点で査証がない場合は、自己判断せず労働省や送出機関の指示に従いましょう。


顔写真・連絡先など申請者本人に関する情報

所定サイズの顔写真、電話番号、住所、緊急連絡先などを提出します。写真のサイズや背景色が指定される場合があるため、申請直前の案内を確認してください。


スマートカードの発行手数料を支払った証明

手数料を支払った後は、領収書や振込記録を保管します。支払先の名義が正規の窓口または指定口座であることも確認しましょう。


領収書の出ない現金払いを求められた場合は、送出機関に内訳を確認する必要があります。


ミャンマーのスマートカード申請にかかる費用と期間


申請時には労働省が定める発行手数料を支払う

OWICの申請では、ミャンマー労働省が定める発行手数料を支払います。金額や支払方法は変更される可能性があるため、過去の取得者が支払った金額をそのまま基準にするのは適切ではありません。


公表された対象者と支払期限を確認する

対象者の一覧が公表される運用では、氏名だけでなくパスポート番号まで照合します。同姓同名や番号の入力ミスを見落とさないためです。


支払期限を過ぎると、再申請や次回受付までの待機が必要になる可能性があります。


正規の手数料と送出機関の費用を区別する

労働省へ支払うOWIC発行手数料と、送出機関の手続支援費用、教育費、健康診断費、渡航費などは別の費用です。


本人に総額だけを伝えるのではなく、項目ごとの金額、支払先、返金条件を明示する必要があります。


発行までの期間は一律ではない

申請から発行までの期間は、受付状況や書類審査、対象者の属性によって変わります。「申請から何日で必ず発行される」とは言い切れません。


日本側の手続が完了していても、OWIC待ちで来日できないケースがあるため、入社日には余裕を持たせましょう。


申請人数の制限や窓口の混雑で遅れることがある

受付人数や申請日が制限されたり、窓口が混雑したりすると、予約自体に時間がかかります。制度変更や祝日、通信状況などによっても進捗は左右されます。


申請済みという報告だけでなく、「受付」「審査」「支払い」「発行」のどこまで進んだかを確認することが大切です。


書類の不備があると再提出が必要になる

氏名のつづり、パスポート番号、勤務先名、給与額などに相違があると、訂正や再提出が必要になります。


とくにデマンドレター、雇用契約書、COEの内容は複数の機関で確認されるため、申請前に横並びで照合しましょう。


高額な代行手数料を請求する業者に注意する

「特別なルートなら早く発行できる」などと説明し、高額な費用を請求する無認可業者には注意が必要です。


受入れ企業も、本人が誰に何の名目で支払ったのかを確認し、領収書の発行を求めましょう。多額の借金は、来日後の生活や定着にも影響します。


ミャンマーのスマートカード申請で受入れ企業が行うこと


政府認定の送出機関か最新の一覧で確認する

受入れ企業は、契約前に送出機関の認定状況を確認します。紹介会社や国内の支援会社が窓口になっている場合も、実際にミャンマー側の手続を行う法人を特定してください。


求人票と雇用契約書の内容を一致させる

職種、勤務地、基本給、手当、控除、所定労働時間を統一します。求人票では高い給与を示し、契約時に条件を下げるような扱いは、審査上の問題だけでなく入社後のトラブルにもつながります。


OWICの申請状況を送出機関と共有する

「申請中」という一言で済ませず、申請日、受付番号、不足書類、発行予定を一覧で管理します。一定期間動きがない場合の問い合わせ先も決めておきましょう。


COE・査証・OWICを別々の工程として管理する

COEは日本での在留資格に関する証明、査証は日本への入国に必要な手続、OWICはミャンマー側の海外就労・出国に関する手続です。


一つが完了しても、残りが自動的に完了するわけではありません。工程表を分けて管理すると、手続の見落としを防げます。


発行の遅れを前提に余裕のある採用計画を立てる

配属日から逆算して一つの来日日だけを設定すると、OWICの遅れによって現場の人員計画が崩れます。


入社可能な期間を幅で設定し、住居や研修担当者の手配にも変更余地を残しておくと対応しやすくなります。


入社日や航空券を早い段階で確定しない

OWICの発行前に変更不可の航空券を購入すると、出国できなかった場合に費用が無駄になります。雇用契約上の入社日についても、来日状況に応じて調整できる方法を検討しましょう。


本人が支払った費用と借入れの有無を確認する

本人の同意を得たうえで、送出機関への支払額、借入先、返済条件を確認します。借金があることだけを理由に採用を見送るのではなく、不当な費用を負担していないかを見ることが目的です。


送出し手続の進捗を本人にもわかる言葉で説明する

手続の説明を送出機関だけに任せると、本人が自分の状況を理解できていないことがあります。


COE、査証、OWICの違いと現在地を、ミャンマー語や図表を使って説明しましょう。本人からも申請画面や受付票を共有してもらうと、認識のずれを防げます。


運用が変わった場合の代替スケジュールを用意する

ミャンマーの海外就労手続は、受付停止、対象者の制限、追加書類の導入などが短期間で行われることがあります。


来日が遅れた場合の配属時期、住居契約、研修日程、航空券の変更条件をあらかじめ決めておけば、急な変更にも対応できます。


ミャンマー人材の採用前に|受け入れ適性診断で準備状況を確認

OWICや査証などの手続が完了しても、社内の受け入れ体制が整っていなければ、入社後の混乱を防ぐことはできません。特にミャンマー人材を特定技能で採用する場合は、労働条件の説明方法、相談窓口、住居・生活支援、登録支援機関との役割分担などを事前に決めておく必要があります。


準備が曖昧なまま採用すると、必要な支援や手続が漏れるだけでなく、本人との認識のずれから早期離職や失踪につながる可能性もあります。登録支援機関へ支援を委託する場合でも、受入れ企業が担う業務や社内の連絡体制を確認しておくことが大切です。


「特定技能人材の受け入れ適性診断」では、11項目の質問に答えるだけで、自社の準備状況を確認できます。採用前に見直したい項目や、受け入れ後に起こりやすい課題、注意すべきリスクを整理できるため、初めて特定技能外国人を採用する企業にもおすすめです。


診断は約1分で完了し、回答後すぐに結果を確認できます。OWICの申請や来日準備とあわせて、現在の受け入れ体制もチェックしてみてください。



ミャンマーのスマートカードは最新の運用を確認して申請しよう

ミャンマーのスマートカードであるOWICは、海外で働くミャンマー人の情報を登録し、就労目的の出国時に本人確認を行うための重要なカードです。日本のCOEや査証とは別の手続であるため、受入れ企業も発行状況を把握しておかなければなりません。


手続を円滑に進めるポイントは、認定送出機関を利用すること、デマンドレターと雇用契約書の内容を一致させること、COE・査証・OWICを分けて管理することです。申請費用についても、政府の手数料と送出機関へ支払う費用を区別し、本人に過度な負担が生じていないか確認しましょう。


OWICの運用は変更されることがあります。過去の事例や非公式なSNS情報だけで判断せず、ミャンマー労働省、在日ミャンマー大使館、在ミャンマー日本国大使館、出入国在留管理庁などの案内を確認しながら、余裕を持って来日準備を進めることが大切です。

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