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2026年8月11日 1:33:23

制度・基礎知識

ミャンマー人はどんな人?性格・宗教観・仕事での接し方を解説

日本で働くミャンマー人が増えるなか、採用や受け入れを検討している企業も多いのではないでしょうか。一方で、「どのような性格の人が多いのか」「宗教上の配慮は必要なのか」「職場ではどう指導すればよいのか」と戸惑う担当者も少なくありません。


ミャンマーは多くの民族や宗教が共存する国です。そのため、「ミャンマー人はこういう人」と一括りにすることはできません。ただし、文化や宗教を背景とした考え方の傾向を知っておけば、すれ違いを減らし、信頼関係を築きやすくなります。


本記事では、ミャンマー人に見られる性格や価値観、宗教観、日本語コミュニケーションの特徴を紹介します。働きやすい職場をつくるための具体的な方法も解説するので、採用後の教育や定着支援にお役立てください。


ミャンマー人について知っておきたい基礎知識


ミャンマー人の文化や価値観を理解するには、まずミャンマーという国の成り立ちを知ることが大切です。多民族・多宗教国家であるため、出身地や家庭環境によって使用する言語や生活習慣が異なります。


ミャンマーは東南アジアに位置する国


ミャンマー連邦共和国は東南アジアの西部に位置し、中国、ラオス、タイ、インド、バングラデシュと国境を接しています。首都はネーピードーです。


国土面積は約68万平方キロメートルで、日本のおよそ1.8倍あります。中央部の平野から北部の山岳地帯、南部の沿岸地域まで国土が広いため、地域によって気候や産業、生活様式もさまざまです。


外務省の基礎データでは、人口は約5,114万人とされています。主要産業には農業、天然ガス、製造業などがあります。詳しい国土や人口、産業の情報は、外務省「ミャンマー基礎データ」で確認できます。


ミャンマー人は民族や出身地域によって文化が異なる


ミャンマーでは、人口の約7割をビルマ族が占めるとされています。ただし、国内にはシャン族、カレン族、カチン族、チン族、モン族、ラカイン族など、多くの少数民族も暮らしています。


民族ごとに言語や宗教、衣服、食文化が異なることも珍しくありません。同じミャンマー出身でも、都市部のヤンゴンで育った人と、山岳地域や農村部で育った人とでは、生活経験や価値観が大きく異なる場合があります。


そのため、民族や出身地を確認せずに、「ミャンマー人だから仏教徒だろう」「この食べ物は問題ないだろう」と判断するのは避けましょう。文化に関する知識は相手を理解する手掛かりになりますが、最終的には本人に希望や習慣を確認する姿勢が欠かせません。


日本で暮らすミャンマー人は増えている


日本で暮らすミャンマー人は急速に増えています。出入国在留管理庁によると、2025年末時点のミャンマー国籍の在留外国人数は18万2,567人です。2024年末の13万4,574人から、1年間で4万7,993人増加しました。


国籍・地域別の在留外国人数では8番目に多く、留学生や技能実習生、特定技能外国人など、さまざまな立場のミャンマー人が日本で生活しています。詳しい数値は、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」で公表されています。


ミャンマー人を雇用する機会は、今後も幅広い業界で増えると考えられます。採用手続きだけでなく、入社後の教育や生活支援まで見据えた受け入れ体制が必要です。


ミャンマー人に見られる性格・価値観の特徴


ここからは、ミャンマー人に比較的見られる性格や価値観を紹介します。ただし、性格は年齢や民族、育った環境、本人の経験によって異なります。あくまでコミュニケーションを考える際の参考として捉えてください。


穏やかで控えめな人が多い


ミャンマー人には、争いを避け、穏やかな関係を保とうとする人が多いといわれています。初対面では控えめに見えても、信頼関係ができるにつれて、冗談を言ったり積極的に話したりする人もいます。


職場で発言が少ないからといって、意欲がないとは限りません。「間違ったことを言いたくない」「上司の話を遮ってはいけない」と考え、黙っている可能性もあります。


会議などでは「質問はありますか」と全員に聞くだけでなく、終了後に個別に声をかけると、本人の意見を引き出しやすくなるでしょう。


家族とのつながりを大切にする


家族との結び付きは、ミャンマー人の生活や働く目的を理解するうえで重要な要素です。日本で働く人のなかには、母国の両親や兄弟姉妹を経済的に支えるため、収入の一部を仕送りしている人もいます。


給与額だけでなく、残業代や社会保険料、税金、寮費などに関心を持つのは、毎月の手取り額が家族の生活に直結しているためかもしれません。


給与から控除される項目については、本人が納得できるまで説明しましょう。給与明細を渡すだけでなく、何のために差し引かれている費用なのかを一つずつ示すことが大切です。


年長者や目上の人を敬う


ミャンマーでは、年長者や教師、職場の上司などを敬う意識が比較的強いとされています。目上の人の指示には素直に従おうとするため、仕事を教える側から見ると、礼儀正しく真面目な印象を受けることもあるでしょう。


一方、敬意が強いあまり、上司に質問したり、指示に対して異なる意見を述べたりすることをためらう場合があります。「わからないときは必ず確認してください」と伝えるだけでは不十分です。


日頃から質問を歓迎する姿勢を見せ、「確認したこと自体は評価する」と繰り返し伝える必要があります。


助け合いや寄付を大切にする


ミャンマーの仏教文化では、寄付や人助けなどによって功徳を積むことが大切にされています。寺院への寄付や僧侶への食事の提供に加え、困っている親族や知人を支援する行動も身近です。


JICAの調査資料でも、ミャンマーの上座部仏教と、寄付を含む功徳を積む習慣との関係が紹介されています。


こうした背景から、同郷者同士で生活情報を教え合ったり、来日したばかりの人を先輩が支えたりすることがあります。職場でも、ミャンマー人の先輩に新人の相談相手を依頼すると、安心感につながるでしょう。ただし、通訳や新人教育の負担が一人に偏らないよう配慮が必要です。


人前で叱られることを負担に感じやすい


同僚の前で強く注意されることを、深刻な屈辱だと受け止める人もいます。本人にとっては、仕事上のミスを指摘されたというより、人間としての尊厳や周囲からの評価を傷つけられたように感じられるからです。


内閣府の資料には、ミャンマーで事業を行う経営者が、人前でスタッフを叱ったことをきっかけに退職につながった経験も紹介されています。また、厚生労働省の異文化理解研修資料でも、注意や指摘はなるべく人前を避けて行うよう勧めています。


指導が必要な場合は個別に話す時間を設け、「どの行動に問題があったのか」「次からどうすればよいのか」を具体的に伝えましょう。


直接的な否定を避けることがある


相手との関係を壊さないために、「できません」「わかりません」と直接言うことを避ける人もいます。依頼を断りたいときに曖昧な返事をしたり、理解できていなくても笑顔で「はい」と答えたりする場合があります。


この反応を、うそをついている、責任感がないと決めつけるべきではありません。相手を困らせたくない気持ちや、目上の人への遠慮が影響している可能性があります。


「できますか」と尋ねるだけでなく、「難しい部分はどこですか」「終わらせるには何が必要ですか」と質問を変えると、本人も困りごとを伝えやすくなります。


ミャンマー人の生活に影響する宗教観


宗教は、食事や休日だけでなく、人間関係や日々の行動にも影響します。ただし、同じ宗教でも信仰の程度や守っている習慣には個人差があります。


ミャンマー人の多くは仏教を信仰している


ミャンマーでは国民の約9割が仏教徒とされ、その多くが上座部仏教を信仰しています。各地に寺院やパゴダがあり、僧侶への敬意や寄付、瞑想などが生活の一部になっています。


短期間の出家を経験する男性もおり、家族が出家を支えることもあります。ただし、すべての仏教徒が同じ習慣を実践しているわけではありません。日本で働く間の食事や休日に特別な希望がない人もいます。


仏教の教えが価値観や人間関係に影響している


上座部仏教では、善い行いによって功徳を積むという考え方が重視されています。困っている人を助ける、食べ物を分ける、寺院や地域社会に寄付するといった行動も、その一つです。


また、怒りを表に出すことを控え、周囲との調和を保とうとする姿勢に仏教文化が影響している場合もあります。ただし、穏やかな態度を「不満がない」と受け取るのは早計です。表情に出さなくても、職場への不満や生活上の悩みを抱えている可能性があります。


キリスト教徒やイスラム教徒のミャンマー人もいる


ミャンマー人のすべてが仏教徒ではありません。キリスト教やイスラム教を信仰する人もおり、民族や出身地域によって宗教の構成は異なります。


キリスト教徒であれば日曜日の礼拝やクリスマス、イスラム教徒であれば礼拝、ラマダン、豚肉やアルコールを避ける食習慣などを大切にしている可能性があります。


採用担当者が氏名や出身地から宗教を推測するのではなく、本人に「食事や勤務時間について配慮してほしいことはありますか」と確認しましょう。


職場で確認したい食事・礼拝・休暇への配慮


宗教上の配慮については、入社前または配属前に本人の希望を聞き取ります。確認しておきたいのは、食べられない食材、礼拝の時間と場所、宗教行事に伴う休暇などです。


社員食堂を利用する場合は、料理名だけでなく原材料がわかる表示があると安心です。歓迎会で飲酒を強要しないことも重要でしょう。礼拝の希望がある場合は、休憩時間の使い方や利用できる静かなスペースについて話し合います。


外国人技能実習機構の安全衛生対策マニュアルでも、飲食の制限や礼拝などの習慣を理解し、周囲の従業員にも説明することが推奨されています。


ティンジャンなどの行事を大切にする人もいる


ティンジャンは、例年4月中旬に行われるミャンマーの伝統的な新年行事です。水を掛け合って前年の汚れを清め、新しい年を迎えます。寺院への参拝や寄付、家族との時間を大切にする人もいます。ティンジャンは2024年にユネスコ無形文化遺産にも登録されました。


日本で働いていても、この時期に休暇を取りたいと考える人がいます。直前になって勤務調整に困らないよう、年間の行事や帰省希望を早めに確認しておきましょう。


ミャンマー人の言語と日本語コミュニケーション


日本語能力試験の級が高くても、職場で使われる言葉をすべて理解できるとは限りません。日常会話と業務上のコミュニケーションは分けて考える必要があります。


公用語はミャンマー語


ミャンマーの公用語はミャンマー語です。ビルマ語と呼ばれることもあります。独自の丸みを帯びた文字を使用し、日本語の文字とは大きく異なります。


少数民族のなかには、シャン語やカレン語などを家庭内で使用している人もいます。その場合、ミャンマー語が母語ではなく、第二言語である可能性もあります。


翻訳アプリや母国語の資料を用意するときは、「ミャンマー出身だからミャンマー語で問題ない」と判断せず、本人が最も理解しやすい言語を確認しましょう。


ミャンマー語と日本語には語順の共通点がある


ミャンマー語と日本語は、どちらも動詞を文の最後に置くことが多く、「私は・ご飯を・食べます」のような語順に共通点があります。そのため、英語などと比べると、日本語の基本的な文の組み立てを理解しやすい面があります。


ただし、語順が似ているからといって、日本語全体を簡単に習得できるわけではありません。発音や文字、助詞の使い分け、場面に応じた表現には大きな違いがあります。


漢字や敬語、職場特有の表現は習得が難しい


ミャンマー語では日本語の漢字を使用しないため、漢字の読み書きは大きな学習負担になります。「停止」「開放厳禁」「高温注意」といった安全表示を読めなければ、事故につながるおそれもあります。


また、敬語や業界用語、「手が空いたら」「いい感じに仕上げて」「なるべく早く」といった曖昧な表現も理解しにくいものです。


難しい言葉をやさしい日本語に置き換え、具体的な期限や完成状態を示しましょう。「早めに」ではなく「今日の15時までに」と伝えるだけでも、認識のずれを減らせます。


「はい」という返事だけで理解度を判断しない


ミャンマー人が「はい」「わかりました」と返事をしても、内容を完全に理解しているとは限りません。「話を聞いています」という意味で返事をしている場合や、上司を安心させるために答えている場合もあります。


厚生労働省の異文化理解研修資料でも、返事をそのまま受け取らず、理解した内容を本人に復唱・説明してもらう方法が紹介されています。


「わかりましたか」と聞くのではなく、「これから何をしますか」「何時までに終わらせますか」と尋ねましょう。本人の言葉で説明してもらえば、理解できていない部分をその場で確認できます。


ミャンマー人が働きやすい職場をつくる方法


ミャンマー人が安心して働くためには、本人の努力だけに頼らず、企業側も伝え方や相談体制を整える必要があります。次の取り組みは、外国人従業員だけでなく、新入社員全体の教育にも役立ちます。


写真や動画を使って業務を説明する


文章だけのマニュアルでは、漢字や専門用語が壁になります。作業の順番、道具の置き場所、正しい完成状態などを写真やイラストで示しましょう。


複雑な作業は動画で撮影し、一時停止しながら確認できるようにすると効果的です。「してはいけない作業」についても、禁止マークや写真を使えば誤解を減らせます。


外国人技能実習機構も、写真やイラストを多用し、言葉だけに頼らないマニュアルを作成するよう勧めています。とくに機械を扱う現場では、母国語への翻訳と実物を使った説明を組み合わせることが重要です。


指示を復唱・実演してもらう


業務を説明した後は、本人に手順を復唱してもらいます。身体を動かす作業であれば、一度実演してもらい、正しくできているか確認しましょう。


この確認は、試験や叱責のために行うものではありません。「説明の仕方にわかりにくいところがなかったか確認したい」と伝えれば、本人の心理的な負担を抑えられます。


一度で理解できなかった場合は、同じ言葉を繰り返すだけでなく、短い文に分ける、別の表現に言い換える、見本を見せるといった工夫が必要です。


改善点は個別に具体的に伝える


仕事上のミスを注意するときは、同僚の前を避け、落ち着いて話せる場所を選びます。「何度言えばわかるの」「もっとしっかりして」といった抽象的な叱り方では、本人は改善方法を理解できません。


「昨日作成した記録の日時が間違っていました。作成後にこの欄を確認してください」のように、問題となった行動と次に取るべき行動を分けて伝えます。


できている部分も併せて伝えると、注意を人格否定として受け止めにくくなり、改善に向けた意欲を保ちやすくなります。


定期面談と相談担当者を設ける


困ったときに相談するよう伝えても、外国人従業員から自発的に上司へ相談するのは難しい場合があります。月1回など頻度を決め、定期的に面談する機会を設けましょう。


面談では、仕事だけでなく、住居、健康、給与、日本語学習、人間関係についても確認します。質問に対して「特にありません」と答えた場合も、「最近困った場面はありましたか」と具体的に尋ねることが大切です。


直属の上司とは別に相談担当者を決めておくと、上司には話しにくい悩みも相談しやすくなります。必要に応じて、登録支援機関や監理団体、通訳とも連携しましょう。


評価基準やキャリアを見える化する


何をできるようになれば給与が上がるのか、どのような条件で仕事の幅が広がるのかがわからなければ、将来への不安につながります。


業務ごとの習得目標を一覧にし、「一人で作業できる」「新人に説明できる」など、評価基準を具体的に示しましょう。本人と定期的に進捗を確認すれば、目標を持って働きやすくなります。


日本語能力の向上、資格取得、特定技能1号から2号への移行など、長期的なキャリアについて話す機会を設けることも定着支援につながります。


日本人従業員にも異文化理解を促す


外国人従業員だけに日本の文化や職場ルールを学ばせても、円滑な職場にはなりません。一緒に働く日本人従業員にも、ミャンマーの文化や宗教、伝わりやすい日本語の使い方を説明しましょう。


文化の違いによる行動を、すぐに「常識がない」「やる気がない」と評価しないことが重要です。一方で、安全や衛生、勤務時間など守るべきルールは、理由とともに明確に伝えます。


国籍によって特別扱いするのではなく、必要な配慮をしながら、同じ職場の仲間として公平に接することが信頼関係の土台になります。


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まとめ:ミャンマー人の文化を理解して働きやすい職場をつくろう


ミャンマー人には、穏やかで控えめ、家族や年長者を大切にするといった傾向が見られます。また、仏教を中心とする宗教観や、多民族国家ならではの文化的な違いが、日常生活や人間関係に影響することもあります。


ただし、出身地域や民族、宗教、本人の経験によって考え方は異なります。一般的な特徴だけで相手を判断せず、一人ひとりの希望や得意・不得意を確認することが大切です。


写真や動画による業務説明、理解度の確認、個別指導、定期面談などを取り入れれば、言葉や文化の違いによるすれ違いを減らせます。ミャンマー人に一方的に日本の職場へ合わせてもらうのではなく、企業側も伝え方や受け入れ体制を見直し、誰もが安心して働ける職場をつくりましょう。

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