はじめての外国人採用を、成功へ導く情報メディア
2026年9月25日 11:28:21
制度・基礎知識
ミャンマー人から見た日本人の印象とは?文化・仕事観の違いと良好な関係を築くコツ

日本で働くミャンマー人からは、日本人について「真面目で礼儀正しい」「時間をきちんと守る」といった声が聞かれます。その一方で、遠回しな言い方や細かな職場ルールに戸惑う人もいます。
日本人とミャンマー人には、年長者を敬い、周囲との調和を大切にするなどの共通点があります。しかし、時間の捉え方や家族と仕事の優先順位、注意されたときの受け止め方は同じではありません。こうした違いを知らないまま接すると、悪気のない言動が誤解を招くこともあります。
なお、ミャンマーは複数の民族・言語・宗教が共存する国です。出身地域や宗教、家庭環境、来日前の経験によって考え方は異なります。本記事で紹介する内容は一般的な傾向であり、すべてのミャ ンマー人に当てはまるものではありません。
本記事では、ミャンマー人から見た日本人の印象をもとに、文化や仕事観の違い、職場で行き違いを減らすための接し方を解説します。
ミャンマー人から見た日本人の良い印象
日本人にとっては何気ない行動でも、来日したミャンマー人には、日本の良さとして映ることがあります。特に印象に残りやすいのが、仕事に対する姿勢や公共の場での振る舞いです。
真面目で責任感が強い
日本人は、任された仕事を途中で投げ出さず、最後までやり遂げようとする人だと思われています。
問題が起きたときに原因を調べ、同じミスが起きないよう対策を考える姿勢も印象に残りやすい点です。上司だけでなく、現場で働く一人ひとりが自分の役割を理解している様子を見て、責任感が強いと感じる人もいます。
時間や約束をきちんと守る
電車がほぼ時刻どおりに到着し、会議や仕事も予定された時間に始まることは、来日したミャンマー人が驚きやすい点です。
待ち合わせの時刻や納期を守る日本人の姿勢は、仕事上の信頼にも結びついています。日本の時間感覚に慣れると、「予定を立てやすい」「安心して仕事を任せられる」と感じる人もいるでしょう。
礼儀正しく親切に接してくれる
初対面の相手にも丁寧な言葉を使い、店や職場で礼儀正しく対応する日本人に好感を持つ人もいます。
駅で道を尋ねたときに目的地まで案内してもらった、職場でわからない作業を何度も教えてもらったといった経験が、日本人への好印象につながることもあります。日本語が十分に通じなくても、身ぶりや翻訳アプリを使って説明しようとする態度は、来日直後の不安を和らげてくれます。
公共のルールやマナーを大切にする
列に並ぶ、ごみを分別する、公共交通機関では静かに過ごすなど、日本では周囲に迷惑をかけないための行動が広く定着しています。
駅や店が混雑していても、多くの人が順番を守っている様子に驚くミャンマー人もいます。街が比較的 清潔に保たれていることも、日本人が公共のルールを守っていると感じる理由の一つです。
品質や仕事の完成度にこだわる
製品の性能だけでなく、包装、清掃、接客などの細部まで丁寧に仕上げる点も、日本人の仕事ぶりとして評価されています。
傷や間違いを見逃さないよう何度も確認する仕事の進め方は、日本の製品やサービスへの信頼を支えています。日本で品質管理の方法を学び、将来はミャンマーで生かしたいと考えている人もいます。
ミャンマー人から見た日本人の戸惑いやすい部分
日本人の真面目さや規律正しさは、良い印象を与える半面、慣れていない人には厳しく感じられる場合があります。日本人同士では説明しなくても通じる習慣ほど、認識のずれが起こりやすいため注意が必要です。
遠回しな表現が多く本音がわかりにくい
日本人は、相手への配慮から「少し難しいかもしれません」「できればお願いします」など、結論をぼかした表現を使うことがあります。
日本人同士であれば文脈から意図を読み取れますが、日本語を学んでいる途中の人には、それが依頼なのか提案なのか、あるいは断りなのかがわかりません。「検討します」という返答を承諾だと思っていたら、実際には断られていたという行き違いも起こり得ます。
時間や細かなルールに厳しい
数分の遅刻でも注意されたり、作業手順が細かく決められていたりする職場では、慣れるまで緊張が続きます。
特に戸惑いやすいのが、理由を説明されないまま「決まりだから守ってください」と言われる場面です。何を守るかだけでなく、安全確保や品質維持のために必要なルールであることまで伝えた方が、納得してもらいやすくなります。
周囲に合わせることを求められる
日本の職場では、個人の判断より、チームの方針やこれまでの進め方が優先される場合があります。
新しい方法を提案しても「今までこの方法でやってきたから」と退けられたり、周囲より先に帰りづらかったりすると、同じ行動を取るよう求められていると感じるかもしれません。日本人社員にとっての暗黙の了解が、外国人社員にも伝わっているとは限りません。
働きすぎで家族との時間が少ないように見える
残業が続いても休まず働く日本人を見て、「家族と過ごす時間は取れているのだろうか」と疑問を持つ人もいます。
家族とのつながりを大切にしている人には、仕事を理由に家庭の予定を何度も後回しにする姿が不思議に映ります。長く働くことだけを熱意の基準にすると、仕事に対する考え方の違いから不満が生じかねません。
仕事中と私生活で態度が大きく変わることがある
職場では厳しく口数の少ない人が、食事会では急に親しげに話し始めるなど、日本人の態度の変化に驚くことがあります。
日本では、立場や場面に応じて振る舞いを変え、仕事と私生活を分ける人も珍しくありません。しかし、その習慣を知らない人には、仕事中の態度が冷たく感じられる場合があります。
ミャンマー人から見た日本人との文化・価値観の違い
日本人の言動に戸惑う理由を知るには、その背景にある文化や価値観にも目を向ける必要があります。ここでは、職場で認識のずれが起きやすい点を見ていきましょう。
日本は時間厳守、ミャンマーは人間関係を重視する
日本では、決められた時刻に間に合うよう行動することが、相手への礼儀と考えられています。
一方、ミャンマーでは、予定より目の前の人間関係を優先する人もいます。たとえば、家族や親しい人から相談を受けたときに、自分の予定を変更してでも助けようとするケースです。
もちろん、文化の違いを理由に、職場での遅刻を認める必要はありません。ただし、「始業時刻は会社に着く時刻ではなく、作業を始める時刻」といった日本の職場の基準は、最初に具体的に伝えておく必要があります。
日本人は仕事、ミャンマー人は家族を優先する傾向がある
日本でも家族を大切にする人は多いものの、仕事に合わせて家庭の予定を調整する場面は少なくありません。
ミャンマーでは、親やきょうだいなどの家族が、精神面だけでなく生活面でも支え合っています。日本で働きながら母国の家族へ送金している人も 多く、家族の病気や冠婚葬祭を本人だけの問題とは考えません。
家族に関する事情で休暇の相談を受けたときは、理由を聞いたうえで、勤務日の変更など職場で可能な対応を検討するとよいでしょう。
ミャンマーでは宗教が生活に深く根付いている
外務省の「ミャンマー基礎データ」によると、ミャンマーでは仏教徒が人口の約90%を占める一方、キリスト教やイスラム教などを信仰する人もいます。
仏教徒の中には、寺院への参拝や寄付、宗教行事への参加を生活の一部としている人がいます。ただし、信仰する宗教や習慣は、民族、地域、家庭によって異なります。ミャンマー出身だから仏教徒だと 決めつけず、本人に確認するようにしましょう。
指示や注意の受け止め方が異なる
上司や年長者への敬意から、自分の意見を強く主張したり、相手の説明を途中でさえぎったりすることに抵抗を感じる人もいます。
説明がわからなくても「もう一度教えてください」と言い出せず、その場ではうなずくことがあります。また、大勢の前で強く注意されると、指摘された内容よりも、皆の前で恥をかいたという気持ちが残ってしまう場合もあります。
あいさつやコミュニケーションの習慣に違いがある
日本の職場では、出勤時、退勤時、作業を始める前など、場面に応じたあいさつが求められます。
「お疲れさまです」「お先に失礼します」などの表現は、言葉の意味を学んだだけでは使いどころがわかりません。どの場面で誰に対して使うのかまで説明すると、職場でも自然に使えるようになります。
ミャンマー人から見た日本人との共通点
文化や仕事観には違いがあるものの、日本人とミャンマー人には似ている部分もあります。共通点を知っておくと、お互いの考え方を理解する糸口になります。
年長者や目上の人を敬う
年長者や目上の人を敬い、相手に失礼のないよう振る舞おうとする点は、日本人とミャンマー人に共通しています。
ただし、上下関係を意識するあまり、上司に質問や相談ができない人もいます。部下から声をかけてくるのを待つだけでなく、上司から「わからない作業はありますか」と尋ねることも必要です。
対立を避け周囲との調和を保とうとする
自分の意見を押し通すより、相手との関係や周囲の雰囲気を大切にする点も似ています。
一方で、双方が遠慮すると、問題が表に出てきません。「何も言わないから困っていない」と判断せず、面談などで定期的に話を聞きましょう。直接言いにくい内容については、相談担当者や匿名アンケートを用意する方法もあります。
ミャンマー人と日本人が職場で良好な関係を築くポイント
職場で起きる行き違いを、本人の性格や意欲だけの問題にしてはいけません。指示の出し方や相談体制を見直すことで、解決できることもあります。
曖昧な指示を避けて具体的に伝える
「なるべく早く」「きれいにしておいて」など、人によって解釈が変わる指示は避けましょう。
「今日の午後3時までに、この箱を10個組み立ててください」のように、期限、数量、作業手順、完成の基準を明確にします。言葉だけで説明しにくい作業には、完成品の見本や写真、動画を使うと伝わりやすくなります。
専門用語を避けて「やさしい日本語」を使う
やさしい日本語とは、難しい言葉や複雑な言い回しを、外国人にも理解しやすい形に置き換えた日本語です。
たとえば、「所定の位置に格納してください」ではなく、「使った道具を赤い棚に戻してください」と伝えます。一文を短くし、一度に多くの内容を詰め込まないことも意識しましょう。
文化庁の「公用文作成に関する報告」でも、外国語による情報発信だけでなく、聞き取りやすく読みやすい日本語を望む外国人が多いことが示されています。
やさしい日本語とは、外国人にも理解しやすいよう、難しい言葉や複雑な文法を言い換えた日本語です。
人前で叱らず個別に改善点を伝える
注意するときは、ほかの従業員がいる前ではなく、落ち着いて話せる場所を選びます。
「あなたは駄目だ」と本人を否定するのではなく、「この手順では事故が起きる可能性があるので、次からは先に電源を切ってください」と、問題となった行動と直し方を伝えましょう。感情的に叱るより、次に何をすればよいかを示した方が、本人も行動を改めやすくなります。
理解したかどうかを質問で確認する
説明の後に「わかりましたか」と尋ねるだけでは、相手が遠慮して「はい」と答えるかもしれません。
「これから何をしますか」「作業が終わったら誰に報告しますか」と尋ね、本人の言葉で説明してもらいましょう。機械の操作や安全に関わる作業は、実際にやってもらいながら確認します。
厚生労働省は、日本語やコミュニケーションの不足によって、職場の危険が十分に伝わらない可能性を指摘しています。ミャンマー語の安全衛生教材も公開されているため、業務に合わせて活用するとよいでしょう。
宗教行事や家族を大切にする価値観に配慮する
宗教行事や母国の家族に関する事情で、休暇を希望することがあります。まずは本人から理由や希望日を聞き、業務への影響を確認しましょう。
無条件に休暇を認めるという意味ではありません。申請期限や繁忙期の取り扱いを説明し、日本人社員と同じルールに沿って判断することが前提です。そのうえで、勤務日の振り替えなど、職場で対応できる方法を探します。
相談しやすい担当者や面談の機会を設ける
上司に迷惑をかけたくないと考え、悩みを一人で抱え込む人もいます。仕事だけでなく、住居、病院、行政手続、家族への送金といった生活上の問題が勤務に影響することもあります。
相談担当者を決め、入社直後は短い面談を定期的に行いましょう。「困ったことはありますか」だけでなく、「仕事の説明でわかりにくいところはありますか」「住居で困っていることはありませんか」と具体的に尋ねると、本人も話しやすくなります。
特定技能外国人の採用を考えたら|適性診断チェック
ミャンマー人材に長く活躍してもらうには、文化や仕事観の違いを理解するだけでなく、入社後の支援体制を整えておく必要があります。必要な手続きや社内の役割分担が曖昧なまま採用を進めると、担当者の負担が増えたり、必要な支援が行き届かなかったりするおそれがあります。
「特定技能外国人の受け入れ適性診断」では、11項目の質問に答えるだけで、現在の受け入れ体制をチェックできます。診断にかかる時間は約1分。回答後はすぐに結果が表示され、採用前に見直したい点や入社後に想定される課題、注意すべきリスクを確認できます。
診断結果をもとに、足りない準備や優先して整えるべき体制を洗い出せます。ミャンマー人をはじめとする特定技能外国人の採用を検討している企業は、採用活動を始める前にご活用ください。
ミャンマー人から見た日本人に関するよくある質問
ミャンマーには親日的な人が多い?
日本製品や日本の仕事の進め方、アニメなどをきっかけに、日本へ好意や関心を持つ人はいます。
国際交流基金の「2024年度海外日本語教育機関調査」でも、ミャンマーの日本語教育機関や学習者が増えている状況が報告されています。ただし、就職や国外での生活を目的に日本語を学ぶ人も多いため、日本語学習者の増加だけで、ミャンマー人全体が親日的だとは判断できません。
ミャンマー人と日本人は相性が良い?
礼儀や周囲との調和を大切にするなど、関係を築きやすい共通点はあります。
ただし、相性は国籍だけで決まるものではありません。仕事上のルールを明確にし、わからないことを確認できる関係を築けるかどうかが、働きやすさを左右します。
ミャンマー人と接するときに避けるべきことは?
人前で強く叱ることや、宗教・民族を軽視する発言は避けるべきです。出身国だけを理由に、本人の性格や能力を決めつけるのも適切ではありません。
また、笑顔でうなずいていても、内容を理解しているとは限りません。日本人の感覚だけで態度を判断せず、質問を交えながら確認しましょう。
ミャンマー人が日本の職場で困りやすいことは?
敬語、方言、専門用語、遠回しな指示など、日本語に関する悩みが多く見られます。給与明細や社会保険の仕組み、細かな職場ルールに戸惑う人もいます。
資料を渡して終わりにせず、実際の業務を見せながら説明し、後からでも質問できる相手を決めておきましょう。
ミャンマー人から見た日本人の印象を知り相互理解を深めよう
日本人の真面目さや時間を守る姿勢は、ミャンマー人から好意的に受け止められています。その一方で、遠回しな表現や細かな職場ルールは、慣れるまで戸惑いやすい部分です。
受け入れ企業では、期限や作業手順を具体的に伝える、理解できたか本人の言葉で確認する、人前で叱らない、定期的に話を聞くといった対応が求められます。
文化的な傾向を知ることは、相手を理解する手掛かりになります。ただし、国籍だけで本人の性格や考え方を決めつけてはいけません。一人ひとりの経験や事情を聞きながら、職場のルールを丁寧に共有していきましょう。
