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2026年10月4日 16:39:31
制度・基礎知識
ミャンマー人技能実習生は今後どうなる?育成就労制度への移行と実習修了後の選択肢

ミャンマー人材の採用を検討するなかで、現地の平均年収が気になる企業担当者もいるでしょう。ミャンマーの給与水準は日本より低い傾向にありますが、職種、勤務地、企業規模による差が大きく、全国共通の金額で表すのは簡単ではありません。
また、現地通貨のチャットを日本円へ換算するときは、使用する為替レートにも注意が必要です。換算時点や参照するレートが違えば、同じ給与でも日本円の金額は大きく変わります。
本記事では、ミャンマーの平均年収の目安をはじめ、最低賃金、職種・地域別の給与水準、日本との違いを解説します。
※給与や最低賃金に関する情報は2026年9月時点のものです。日本円への換算額は目安としてご覧ください。
ミャンマー人技能実習生は今後どうなる?

技能実習制度に代わる育成就労制度は、2027年4月1日に施行されます。ただし、制度の切替えによって、現在の技能実習生の在留資格が直ちに失われるわけではありません。
制度廃止後も経過措置の範囲で技能実習を続けられる
施行日前に認定を受けた技能実習計画に基づき、施行日時点で実習している人は、施行後も「技能実習」の在留資格で実習を続けられます。
したがって、2027年4月1日になった時点で実習期間が残っているからといって、その日に雇用を終了したり、帰国させたりする必要はありません。認定された計画に沿って、引き続き適正に実習を実施します。
在留資格が自動的に「育成就労」へ変わるわけではない
技能実習制度が廃止されても、技能実習生の在留資格が自動的に「育成就労」へ書き換えられるわけではありません。経過措置の対象者は、基本的に技能実習生のまま実習を続けます。
育成就労は、新制度に基づく計画認定や在留手続を経て受け入れる制度です。技能実習と育成就労が、同じ職場で一定期間併存する可能性もあります。
技能実習の段階や実習計画によって今後の扱いが異なる
技能実習には1号、2号、3号があり、どの段階にいるかによって施行後の扱いが変わります。特に、2号から3号へ移行できるかどうかは、施行日時点までに2号技能実習を行った期間が重要です。
企業は制度全体だけを見るのではなく、実習生一人ひとりの区分、技能実習計画、実習開始日を確認する必要があります。
実習修了後は在留資格の変更または帰国が必要になる
技能実習の在留資格は、認定された計画に基づいて実習するためのものです。実習期間が終わった後も、そのまま同じ資格で働き続けることはできません。
日本で就労を続ける場合は、特定技能などの要件を満たしたうえで、在留資格変更許可を受けます。変更しない場合は、原則として在留期限までに帰国することになります。
ミャンマー人であることだけで在留が自動的に認められるわけではない
ミャンマー情勢を理由とする緊急避難措置は設けられていますが、ミャンマー国籍であれば無条件に在留を続けられるという意味ではありません。
技能実習を修了したか、実習を続けられない理由は何か、現在の在留期間が残っているかなどを踏まえて個別に審査されます。国籍だけで判断せず、本人の状況と利用できる制度を整理することが大切です。
制度変更後、現在のミャンマー人技能実習生はどうなる?
育成就労制度への移行に伴い、技能実習には経過措置が設けられます。受け入れ企業は、施行日をまたぐ実習計画の扱いを確認しておきましょう。
施行日時点で技能実習中の場合は経過措置の対象になり得る
2027年4月1日より前に認定された計画に基づき、施行日時点で技能実習を行っている人は、その計画が終了するまで実習を継続できます。
経過措置は、新制度への移行によって実習生や受け入れ企業へ不当な不利益が生じることを避けるためのものです。ただし、計画認定を受けていない業務を新たに担当させることはできません。
技能実習1号から2号へ移行できる場合がある
施行日時点で技能実習1号を行っている人は、施行後に1号を修了した場合でも、所定の要件を満たせば技能実習2号へ移行できます。
2号への移行には、対象となる職種・作業であることや、技能検定基礎級などへの合格、2号技能実習計画の認定といった従来の要件を満たす必要があります。
一定の条件を満たす技能実習2号は3号へ移行できる場合がある
施行後に技能実習3号へ進めるのは、2027年4月1日時点で2号技能実習を1年以上行っている人です。施行日時点で2号を始めてから1年に満たない場合は、原則として3号へ移行できません。
3号への移行には、実習生本人だけでなく、監理団体や実習実施者についても要件があります。企業側の判断だけで移行できるものではありません。
実習計画の認定申請日と実習開始日によって扱いが変わる
施行日以降は、原則として新たな技能実習計画の認定申請ができません。施行日前に計画認定と在留資格認定証明書の交付を受けている場合は、2027年6月30日までに入国する必要があります。
施行日前に認定申請を済ませ、認定が施行日以降になる場合も、実習開始日を2027年6月30日以前とするなどの条件があります。認定日、証明書の交付日、入国予定日を一体で確認しましょう。
参考:厚生労働省「育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について」
現在の技能実習生を企業の判断だけで育成就労へ切り替えることはできない
「育成就労のほうが転籍しやすい」「同じ仕事だから変更したい」と考えても、企業と実習生の合意だけで在留資格を変更することはできません。
現在の技能実習生は、まず認定済みの実習計画に沿って活動します。育成就労の仕組みを現在の技能実習生へそのまま適用することはできないため、混同しないよう注意しましょう。
<h3>実習生ごとに在留期限と認定済みの実習計画を確認する</h3>
同じ時期に受け入れたミャンマー人でも、入国日、実習区分、在留期限、受検状況は異なります。企業は在留カードだけでな く、認定済みの技能実習計画や雇用契約書も確認してください。
2号・3号への移行や特定技能への変更を予定している場合は、申請準備から許可までの期間も考慮し、監理団体と早めにスケジュールを共有しましょう。
ミャンマー人技能実習生は実習修了後どうなる?主な選択肢

実習修了後の選択肢は、特定技能などへ変更して日本で働くか、帰国するかの大きく二つです。本人の希望だけでなく、資格要件と受け入れ先の有無を確認します。
特定技能1号へ移行して日本で働き続ける
実習で身につけた技能を生かして働きたい場合は、特定技能1号への移行が代表的な選択肢です。技能実習とは異なり、特定技能は人手不足分野で外国人材を受け入れるための就労資格です。
移行できるかどうかは、技能実習の職種・作業と、特定技能で担当する業務との関係などによって決まります。
技能実習2号を良好に修了すると試験が免除される場合がある
技能実習2号を良好に修了した人は、特定技能1号への移行に必要な技能試験と日本語試験が免除されます。ただし、異なる分野へ移行する場合は、希望する分野の技能試験への合格を求められることがあります。
「技能実習を3年間行えば、どの分野でも無試験で働ける」という制度ではありません。
特定技能へ移行するには受入れ企業との雇用契約が必要になる
特定技能へ移行するには、本人が資格要件を満たすだけでなく、特定技能外国人を受け入れられる企業との雇用契約が必要です。
現在の実習実施者が雇用を続けるケースもあれば、別の企業と契約するケースもあります。受け入れ企業には、適正な雇用契約や支援体制、分野ごとの要件を満たすことが求められます。
在留資格変更の許可を受けてから特定技能の仕事を始める
雇用契約を結んだだけでは、特定技能外国人として働き始めることはできません。在留資格変更許可を受けるまでは、技能実習生として認定計画外の業務に従事させないよう注意が必要です。
実習修了までに申請書類がそろわない場合は、一定の要件を満たせば、特定技能1号への移行準備を目的とする「特定活動」を利用できることがあります。
条件を満たせば将来的に特定技能2号などを目指せる
特定技能1号で経験を積み、分野ごとの試験や実務経験などの要件を満たせば、特定技能2号を目指せる場合があります。特定技能2号には在留期間の通算上限がなく、要件を満たせば配偶者や子の帯同も可能です。
ただし、対象分野や要件は一律ではありません。介護分野では、介護福祉士資格を取得して在留資格「介護」へ変更するルートがあります。
学歴・職歴と仕事内容によっては別の就労資格を検討できる
大学などで学んだ内容や実務経験と、就職先の仕事内容が合っていれば、「技術・人文知識・国際業務」などを検討できる場合があります。
ただし、技能実習で経験した現場作業を続けるだけでは、専門的な就労資格の要件を満たさないことがあります。資格の名称ではなく、実際に担当する業務内容をもとに判断しなければなりません。
在留資格を変更せず母国へ帰国する
技能実習を修了し、 在留資格を変更しない場合は帰国します。本人が帰国を希望しているときに、企業が日本での就労継続を強制することはできません。
帰国日や航空券、賃金・預り金の精算、社会保険の手続などを早めに確認し、本人が不安なく出国できるよう支援しましょう。
帰国できないミャンマー人技能実習生はどうなる?
ミャンマー情勢を理由に帰国が難しい人については、緊急避難措置として在留資格「特定活動」が認められる場合があります。ただし、技能実習生については利用条件に注意が必要です。
ミャンマー情勢を踏まえた緊急避難措置が設けられている
日本では、ミャンマーの情勢不安を理由に帰国が困難な在留ミャンマー人に対し、日本での在留や就労を認める緊急避難措置を設けています。
利用するには在留資格変更許可申請が必要であり、本人の希望だけで自動的に特定活動へ切り替わるわけではありません。
技能実習修了後は「特定活動(1年・就労可)」へ変更できる場合がある
現在の在留資格に基づく活動を満了した人が、ミャンマー情勢を理由に引き続き日本での在留を希望する場合は、原則として「特定活動(1年・就労可)」への変更を申請できます。
技能実習を修了したものの、特定技能などへ変更せず、帰国も難しい場合が該当し得ます。ただし、許可の可否は個別審査です。
参考:出入国在留管理庁「本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置」
技能実習を修了していない場合は変更の必要性が個別に審査される
実習途中の人が特定活動へ変更する場合は、なぜ技能実習を続けられないのかが確認されます。
本人の責任ではない事情で実習継続が困難となり、監理団体などが実習先変更に必要な対応を行っても、新たな実習先を確保できなかった場合は、「特定活動(1年・就労可)」への変更が認められることがあります。
2024年10月から技能実習生に対する取扱いが見直さ れている
2024年10月1日から、技能実習を修了していないミャンマー人が特定活動へ変更する場合の取扱いが見直されました。
実習未修了で在留期間が残っている人は、原則として緊急避難措置による変更が認められません。自己都合で実習先を離れれば、すぐ自由に働ける特定活動へ変更できるという理解は誤りです。
自由な転職を目的として特定活動へ変更できる制度ではない
緊急避難措置は、より条件のよい職場へ移るための転職制度ではありません。ミャンマーへ帰国することが難しい人の在留を一時的に認めるための措置です。
技能実習先への不満がある場合は、まず監理団体や外国人技能実習機構へ相談し、実習先変更の手続が利用できないかを確認します。
特定活動は一時的な措置であり永続的な在留を保証するものではない
「特定活動(1年・就労可)」は更新が認められる可能性がありますが、永住や無期限の在留を保証する資格ではありません。ミャンマー情勢や制度の運用が変われば、将来の取扱いが変更される可能性もあります。
長期就労を希望する場合は、要件を満たせるのであれば、特定技能などへの変更も検討する必要があります。
緊急避難措置と難民認定制度は異なる
緊急避難措置と難民認定制度は、目的も審査方法も異なります。緊急避難措置を利用したからといって、難民として認定されたことにはなりません。
難民認定は、申請者が難民条約などに定める難民に該当するかを個別に審査する制度です。難民に該当しない場合でも、ミャンマー情勢を踏まえ、緊急避難措置が認められることはあります。
ミャンマー人技能実習生が実習先を変更したい場合はどうなる?
技能実習では、原則として認定された計画と実習先に従って活動します。ただし、現在の実習先で継続できないやむを得ない事情がある場合は、別の実習先への転籍を検討できます。
技能実習では本人の希望だけによる転籍は原則として認められない
技能実習1号・2号では、「給料の高い会社へ移りたい」「仕事内容が自分に合わない」といった本人の希望だけによる転籍は原則として認められません。
育成就労制度では一定の要件を満たす本人意向による転籍が設けられますが、その仕組みが現在の技能実習生へ自動的に適用されるわけではありません。
会社の倒産や事業縮小で実習を続けられない場合は転籍を検討する
実習実施者の倒産や事業停止、経営上の都合による大幅な事業縮小などで計画どおりの実習を続けられない場合は、やむを得ない事情による実習先変更の対象になり得ます。
企業や監理団体は放置せず、実習実施困難時の届出や新たな実習先の確保を進める必要があります。
暴力・ハラスメント・重大な契約違反も「やむを得ない事情」になり得る
暴行、暴言、脅迫、セクハラ、パワハラなどの人権侵害を受けている場合は、やむを得ない事情として転籍が認められる可能性があります。
賃金の不払いや契約と異なる業務への従事など、重大・悪質な法令違反や契約違反も対象になり得ます。録音、写真、給与明細などの資料があれば、事実確認に役立ちます。
<h3>監理団体や外国人技能実習機構へ早めに相談する</h3>
実習先で問題が起きた場合は、まず監理団体へ相談します。監理団体へ相談しにくい事情があるときは、外国人技能実習機構の母国語相談やSOS・緊急相談窓口も利用できます。
2024年11月からは、実習生が実習先変更を申し出るための専用様式も用意されています。問題が深刻になる前に相談することが重要です。
参考:外国人技能実習機構「やむを得ない事情がある場合の実習先変更」
無断で職場を離れると在留資格や今後の就労に影響する可能性がある
職場に問題があっても、連絡せずに失踪すると、技能実習を行っていない状態になり、在留資格の更新・変更やその後の就労に影響する可能性があります。
危険が迫っている場合は安全を確保することが優先ですが、その後は監理団体、外国人技能実習機構、警察、労働基準監督署などへ相談し、必要な手続を進めましょう。
企業が旅券や在留カードを預かって転籍・帰国を妨げてはいけない
企業や監理団体、その役職員が技能実習生の旅券や在留カードを保管することは、本人の同意があっても禁止されています。退職や転籍、帰国を防ぐ目的で取り上げる行為は、決して認められません。
特に本人の意思に反して保管した場合は、刑事罰の対象になる可能性があります。旅券と在留カードは、必ず本人に管理させてください。
参考:外国人技能実習機構「技能実習制度運用要領「第6章 技能実習生の保護」」
技能実習から特定技能へ移行する前に|受け入れ適性診断を
ミャンマー人技能実習生を、実習修了後に特定技能外国人として継続雇用する場合は、在留資格変更の手続だけでなく、受け入れ体制も見直す必要があります。
技能実習中から働いている人材であっても、特定技能へ移行すれば、企業には1号特定技能外国人支援計画に基づく支援などが求められます。労働条件の説明方法や相談窓口、生活支援の内容、登録支援機関との役割分担が曖昧なまま移行を進めると、手続の不備や支援漏れが生じるかもしれません。
また、企業と本人の認識にずれがあれば、早期離職や失踪につながるおそれもあります。「技能実習中から知っている人材だから問題ない」と考えず、特定技能の受け入れ要件に沿って準備状況を確認することが大切です。
「特定技能人材の受け入れ適性診断」では、11項目の質問に答えることで、自社の受け入れ体制を確認できます。採用・移行前に見直したい点のほか、受け入れ後に起こりやすい課題や注意すべきリスクも整理できるため、初めて特定技能外国人を雇用する企業にも役立ちます。
診断にかかる時間は約1分で、回答後すぐに結果を確認できます。技能実習生の特定技能への移行や、新たな特定技能人材の採用を進める前に、現在の受け入れ体制をチェックしてみてください。
ミャンマー人技能実習生の状況を個別に確認して今後の手続きを進めよう
技能実習制度が廃止されても、現在のミャンマー人技能実習生が直ちに帰国しなければならないわけではありません。経過措置の対象になれば、育成就労制度の施行後も、技能実習の在留資格で認定済みの実習を続けられます。
ただし、1号から2号、2号から3号へ移行できるかどうかは、施行日時点の実習段階や実習期間によって異なります。実習修了後に日本で働き続ける場合も、特定技能などへの変更要件を満たし、許可を受けなければなりません。
ミャンマー人への緊急避難措置についても、国籍だけで一律に判断するのではなく、実習の修了状況や帰国困難の事情を確認する必要があります。
受け入れ企業は、実習生ごとに在留期限、認定計画、受検状況、本人の希望を整理し、監理団体と今後の予定を共有しましょう。制度の移行期は申請が集中する可能性もあるため、期限直前ではなく、余裕を持って準備を始めることが大切です。
