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2026年8月29日 17:43:37

制度・基礎知識

特定技能と特定活動の違いとは?就労範囲・在留期間・移行方法を比較

外国人の在留カードに「特定活動」と記載されていても、それだけで就労の可否や仕事内容を判断することはできません。特定技能が人手不足分野での就労を目的とする在留資格であるのに対し、特定活動は、法務大臣が外国人ごとに活動内容を指定する在留資格だからです。


採用時に両者の違いを理解していないと、認められていない仕事を任せたり、在留資格の変更前に就労を始めさせたりするおそれがあります。本記事では、特定技能と特定活動の違い、移行手続き、企業が確認すべきポイントを解説します。


特定技能と特定活動の違いを一覧で比較

特定技能と特定活動の主な違いは、次のとおりです。


比較項目

特定技能

特定活動

目的

人手不足が深刻な特定産業分野で外国人材を受け入れる

他の在留資格に当てはめにくい活動に対応する

主な対象者

技能・日本語能力などの基準を満たす外国人

特定活動の種類ごとに定められた要件を満たす外国人

就労範囲

許可を受けた分野・業務区分の仕事

指定書に記載された活動の範囲内。就労できない場合もある

取得要件

試験合格、雇用契約、受入れ機関の基準適合など

活動の種類によって異なる

在留期間

1号は通算原則5年以内。2号は更新可能で通算上限なし

5年、3年、1年、6か月、3か月、個別指定など

家族帯同

1号は原則不可。2号は要件を満たせば配偶者・子の帯同が可能

活動の種類によって異なる

企業の支援義務

1号は支援計画の作成・実施が必要

一律の支援義務はなく、活動ごとの条件による


制度が設けられた目的の違い

特定技能は、人材確保が難しい産業分野で、一定の技能を持つ外国人を受け入れるための制度です。一方の特定活動は、ワーキングホリデーや継続就職活動、特定技能への移行準備など、既存の在留資格だけでは対応しにくい活動を認めるために設けられています。


認められる活動・就労範囲の違い

特定技能では、許可を受けた特定産業分野と業務区分に属する仕事に従事します。特定活動の範囲は一律ではなく、本人のパスポートに添付された「指定書」によって決まります。フルタイムで働ける特定活動もあれば、就労できないものもあります。


在留資格を取得する要件の違い

特定技能1号では、原則として分野別の技能試験と日本語試験への合格が必要です。雇用契約や受入れ企業にも基準が設けられています。特定活動は種類が多く、学歴、日本語能力、国籍、活動目的など、求められる条件がそれぞれ異なります。


在留期間と更新の違い

特定技能1号の在留期間は通算で原則5年以内です。特定技能2号には通算期間の上限がなく、要件を満たす限り更新できます。特定活動は活動ごとに在留期間が定められ、更新できないものもあるため、個別の確認が必要です。在留期間の扱いは出入国在留管理庁の案内で確認できます。


家族帯同の可否に関する違い

特定技能1号では、配偶者や子を「家族滞在」で呼び寄せることは原則として認められません。特定技能2号では、一定の要件を満たせば帯同できます。特定活動については、家族帯同を認める仕組みがある種類と、認められない種類があります。


受入れ企業に求められる支援の違い

特定技能1号の受入れ企業は、生活オリエンテーションや相談対応などを盛り込んだ支援計画を作成し、実施しなければなりません。登録支援機関への委託も可能です。特定活動には共通の支援制度がないため、指定された活動の条件に沿って対応します。


特定技能とは人手不足分野で働くための在留資格


特定産業分野で即戦力となる外国人を受け入れる制度

特定技能は、介護、建設、宿泊、外食業など、国が定める特定産業分野で外国人を受け入れる制度です。従事できる仕事内容は分野ごとに定められており、業務区分から外れる仕事を中心業務として任せることはできません。


特定技能1号と特定技能2号に分かれている

特定技能1号は、相当程度の知識や経験を必要とする技能が求められる在留資格です。特定技能2号では、熟練した技能に加え、現場をまとめる能力なども審査されます。2号を取得できるのは対象分野に限られます。


原則として技能試験と日本語試験への合格が必要

特定技能1号を取得するには、希望する分野の技能試験と、所定の日本語試験に合格するのが基本です。分野によっては、追加の日本語試験などが求められることもあります。試験合格だけで在留資格が認められるわけではなく、雇用契約や企業側の要件も審査対象です。


技能実習を良好に修了すると試験が免除される場合がある

技能実習2号を良好に修了した人は、日本語試験が免除される場合があります。技能実習の職種・作業と特定技能の業務に関連性があれば、技能試験も免除されます。異なる分野へ移る場合は、技能試験が必要になることがあります。試験免除の考え方を事前に確認しましょう。


日本人と同等以上の報酬を支払う必要がある

特定技能外国人の報酬は、同等の業務に従事する日本人と同等以上でなければなりません。外国人であることを理由に基本給を低く設定することは認められず、昇給や手当についても合理的な基準が必要です。出入国在留管理庁のQ&Aでも報酬基準が示されています。


特定技能1号では受入れ企業による支援が必要

受入れ企業は、事前ガイダンス、住居確保の支援、行政手続きへの同行、日本語学習の機会提供、定期面談などを行います。支援業務を登録支援機関に委託しても、雇用主としての責任がなくなるわけではありません。


特定活動とは法務大臣が個別に指定する活動


他の在留資格に分類しにくい活動に対応する制度

特定活動は、法務大臣が外国人ごとに活動内容を指定する在留資格です。外交官等の家事使用人、ワーキングホリデー、EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者など、対象は多岐にわたります。出入国在留管理庁の特定活動の案内にも主な類型が掲載されています。


法定特定活動・告示特定活動・告示外特定活動に分けられる

特定活動は、解説上、法律に直接定められた法定特定活動、法務大臣告示で類型化された告示特定活動、個別事情を踏まえて認められる告示外特定活動に整理されます。継続就職活動や特定技能への移行準備などは、告示外特定活動として扱われることがあります。


就労できるかどうかは特定活動の種類によって異なる

在留カードに「特定活動」と記載されていても、必ず働けるとは限りません。指定された範囲で就労できる場合、資格外活動許可を得た範囲だけ働ける場合、原則として就労できない場合があります。


具体的な活動内容はパスポートの「指定書」で確認する

特定活動の具体的な内容は、パスポートに添付された指定書に記載されています。採用時には在留カードだけで判断せず、指定書の原本を確認し、予定している仕事内容や労働時間が許可範囲に含まれるかを照合します。出入国在留管理庁のQ&Aでも指定書の確認が案内されています。


在留期間や更新の可否も活動内容ごとに異なる

特定活動の在留期間は、活動の性質や本人の状況に応じて指定されます。更新を前提とするものばかりではなく、移行準備や帰国準備のように、期限や更新回数が限られるものもあります。


継続就職活動やワーキングホリデーなど幅広い種類がある

大学等を卒業した留学生の継続就職活動、内定後の待機、ワーキングホリデー、インターンシップ、本邦大学等卒業者を対象とした特定活動46号など、目的はさまざまです。同じ特定活動でも、対象者や就労条件は共通ではありません。


特定技能に関係する主な特定活動


特定技能1号への移行準備を行うための特定活動

試験合格など特定技能1号の要件を満たし、受入れ企業も決まっているものの、在留期限までに必要書類をそろえられない場合、「特定活動(6か月・就労可)」への変更が認められることがあります。単に試験勉強の時間を確保するための制度ではありません。申請要件はこちらで確認できます。


特定技能2号への移行準備を行うための特定活動

特定技能2号への移行が見込まれるものの、現在の在留期間内に手続きが終わらない場合も、一定の要件の下で移行準備の特定活動を申請できます。現在の在留期限が迫ってからではなく、余裕を持って準備を始める必要があります。


自動車運送業で免許取得や研修を行うための特定活動

自動車運送業では、日本の運転免許の取得や新任運転者研修を行うための「特定活動(特定自動車運送業準備)」があります。在留期間はトラック運転者が6か月、タクシー・バス運転者が1年で、更新はできません。制度の詳細を踏まえて採用日程を組む必要があります。


やむを得ない事情で就労を継続できない場合の特定活動

勤務先の倒産や事業縮小など、本人の責任ではない事情で活動を続けられなくなった場合、要件を満たせば「特定活動(就労継続支援)」が認められることがあります。すべての退職者が利用できる制度ではないため、個別の事情を整理して入管へ相談します。


特定技能への移行準備中に認められる仕事の範囲

移行準備中だからといって、特定技能で予定している仕事を自由に行えるわけではありません。就労できる業務、勤務先、報酬などは指定書や許可内容に従います。別の会社や指定範囲外の業務で働く場合は、あらためて手続きが必要です。


特定活動から特定技能へ移行する流れ


希望する分野の技能試験と日本語試験に合格する

まず、希望する分野で求められる技能試験と日本語試験を確認します。技能実習2号を良好に修了している場合は、実習内容との関連性を確認し、どの試験が免除されるかを整理します。


特定技能外国人を受け入れられる企業と雇用契約を結ぶ

試験合格後は、特定技能外国人の受入れ基準を満たす企業と雇用契約を結びます。仕事内容、就業場所、労働時間、報酬、休日などが法令や分野別基準に適合していることが必要です。


支援計画や分野ごとの必要書類を準備する

特定技能1号では、企業が支援計画を作成します。試験の合格証明書、雇用条件書、企業の納税・社会保険関係資料などに加え、分野によっては協議会への加入証明なども求められます。


入管へ在留資格変更許可申請を行う

必要書類をそろえたら、住所地を管轄する地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請を行います。申請中に現在の在留期限を迎える可能性がある場合は、早めに入管へ相談してください。


変更許可を受けてから特定技能として就労を開始する

申請書を提出しただけでは、在留資格は特定技能に変わりません。許可を受けるまでは、現在の指定書で認められた範囲を超えて働かないようにします。特定技能としての勤務は、変更許可後に開始します。


移行準備の特定活動も通算在留期間に含まれる場合がある

特定技能1号への移行準備として就労する特定活動の期間は、特定技能1号の通算在留期間に含まれます。一方、特定自動車運送業準備の期間は含まれないなど、扱いは一律ではありません。通算在留期間の案内で確認しましょう。


特定技能と特定活動の違いを確認せず採用するリスク


「特定活動」と記載されているだけでは就労可否を判断できない

求人への応募者が特定活動の在留資格を持っていても、在留カードの表面だけでは採用可能か判断できません。指定書と資格外活動許可の有無を確認し、仕事内容や勤務時間と照らし合わせます。


指定された範囲外の仕事を任せると不法就労になるおそれがある

許可された範囲外の業務に従事させると、外国人本人だけでなく、雇用した企業も不法就労助長罪に問われるおそれがあります。「本人が働けると言っていた」という説明だけでは、確認を尽くしたことにはなりません。


在留資格を変更する前に別の仕事を始めてはいけない

在留資格変更許可の審査中であっても、現在の資格で認められていない仕事は始められません。新しい仕事が許可範囲外であれば、変更許可を待つ必要があります。


在留カードと指定書の原本を確認する

採用時は在留カードの原本で在留資格、在留期限、就労制限を確認します。特定活動の場合はパスポートの指定書も確認し、必要に応じて在留カード等番号失効情報照会を利用すると安心です。


雇用条件と実際の業務内容を一致させる

申請時の雇用条件と、入社後の仕事が食い違わないよう注意します。別の部署への異動や業務変更を予定している場合は、在留資格上認められる範囲かを確認してから実施しましょう。


特定技能外国人の採用を考えたら|受け入れ適性診断をチェック

特定技能外国人を採用する際は、在留資格や就労範囲を確認するだけでなく、自社に適切な受け入れ体制があるかを事前に点検する必要があります。必要な支援や手続きを把握しないまま採用を進めると、書類の不備や支援漏れが生じ、入社後の対応に追われるかもしれません。


「特定技能人材の受け入れ適性診断」では、11項目の質問に答えることで、自社の準備状況を確認できます。採用前に見直したい項目や受け入れ後に想定される課題、注意すべきリスクも整理できるため、初めて特定技能外国人を採用する企業にも役立ちます。


診断にかかる時間は約1分で、回答後すぐに結果を確認できます。特定技能人材の採用を具体的に進める前のチェックとして、ぜひご活用ください。



特定技能と特定活動の違いに関するよくある質問


特定活動の外国人はフルタイムで働ける?

特定活動の種類によります。特定活動46号やワーキングホリデーなど、指定された範囲でフルタイム就労が可能なものもあります。一方、継続就職活動では、資格外活動許可を得ても原則週28時間以内です。


特定活動から特定技能へ自動的に切り替わる?

自動では切り替わりません。試験、雇用契約、受入れ企業、支援計画などの要件を満たし、在留資格変更許可申請を行う必要があります。許可が下りるまでは特定活動のままです。


特定活動46号と特定技能は何が違う?

特定活動46号は、一定の大学等を卒業し、高い日本語能力を持つ人が、大学で得た知識や日本語によるコミュニケーション能力を生かして働く制度です。特定技能は学歴を原則問わない一方、就労先が特定産業分野に限られ、技能・日本語試験などで能力を確認します。特定活動46号の要件もあわせて確認してください。


特定活動から特定技能へ移行する際も試験が必要?

原則として必要です。現在の在留資格が特定活動であることを理由に、試験が免除されるわけではありません。ただし、技能実習2号を良好に修了しているなど、別の免除要件を満たす場合は扱いが異なります。


特定技能と特定活動のどちらを企業が選べる?

企業が都合に合わせて自由に選ぶことはできません。外国人が実際に行う仕事、本人の経歴や試験合格状況、雇用期間などによって、該当する在留資格が決まります。


特定技能と特定活動の違いを理解して適切に雇用しよう

特定技能は、特定産業分野での就労を目的とし、技能水準や受入れ企業、支援体制などに共通の基準が設けられています。これに対して特定活動は、外国人ごとに活動内容が指定されるため、在留カードだけでは就労の可否や範囲を判断できません。


企業は採用前に在留カードと指定書の原本を確認し、予定している仕事内容や労働時間が許可範囲に含まれるかを確かめる必要があります。特定技能への移行を予定している場合も、変更許可を受ける前に対象業務を始めさせてはいけません。


制度や分野別の運用は改正されることがあります。判断が難しいケースでは、地方出入国在留管理局や行政書士などの専門家に相談し、最新の要件に沿って手続きを進めましょう。


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