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2026年10月4日 16:39:50

費用・相場

ミャンマーの平均年収はいくら?職種・地域別の給与水準と日本との違いを解説

ミャンマー人材の採用を検討するなかで、現地の平均年収が気になる企業担当者もいるでしょう。ミャンマーの給与水準は日本より低い傾向にありますが、職種、勤務地、企業規模による差が大きく、全国共通の金額で表すのは簡単ではありません。


また、現地通貨のチャットを日本円へ換算するときは、使用する為替レートにも注意が必要です。換算時点や参照するレートが違えば、同じ給与でも日本円の金額は大きく変わります。


本記事では、ミャンマーの平均年収の目安をはじめ、最低賃金、職種・地域別の給与水準、日本との違いを解説します。


※給与や最低賃金に関する情報は2026年9月時点のものです。日本円への換算額は目安としてご覧ください。


ミャンマーの平均年収はいくら?


全国一律の平均年収を示す公的統計は限られている

ミャンマーでは、全国の労働者を対象にした最新の平均年収を把握できる公的統計が限られています。公務員、農業従事者、工場労働者、都市部の会社員など、働き方が異なる人をすべて含めた最新データを見つけるのは困難です。


ミャンマー政府の2017年労働力調査では、賃金労働者の平均月収が約16万9,800チャットとされていました。しかし、現在とは物価や為替相場が大きく異なるため、そのまま現在の平均年収として使うことはできません。ILOSTATでもミャンマーの賃金統計を確認できますが、調査年と対象者を確認する必要があります。


ミャンマーの平均年収は約30万~50万円が一つの目安

民間の給与調査や都市部の求人情報を見ると、一般的な会社員の月収は50万~80万チャット前後が一つの目安です。年収にすると600万~960万チャットになります。


仮に1チャットを0.05円で換算すると、日本円では年収約30万~48万円です。そのため、ミャンマーの平均年収を日本円で表す場合、約30万~50万円と紹介されることがあります。


ただし、これは都市部の民間企業で働く人を中心に考えた概算です。全国民の平均年収を示す公的な数値ではありません。


月収から平均年収を計算する方法

ミャンマーでは、給与が月額で示されることが多いため、基本的には「月収×12か月」で年収を計算します。


たとえば、月収60万チャットであれば、単純計算した年収は720万チャットです。賞与、残業代、通勤手当、食事手当などが支給される場合は、それらを加算します。


反対に、日雇いや出来高払いで働いている場合は、毎月の収入が一定ではありません。月収だけでなく、年間の就労日数も確認する必要があります。


現地通貨チャットと日本円の両方で確認する

ミャンマーの給与を調べるときは、チャットと日本円を併記すると実態をつかみやすくなります。


ただし、現地でどの程度の生活ができるかを判断するときは、チャットでの金額が重要です。日本円換算額だけを見ると、現地の物価や購買力を正しく捉えられません。


採用面接で前職の給与を聞く場合も、まずチャットで確認し、聞き取った時点のレートで日本円へ換算するとよいでしょう。


円換算額は使用する為替レートによって大きく変わる

ミャンマーでは、参照する為替レートによって日本円への換算結果に差が出ることがあります。


たとえば、年収720万チャットを1チャット0.04円で換算すると28万8,000円ですが、0.07円で換算すると50万4,000円です。同じ年収でも、換算レートによって20万円以上の差が生じます。


平均年収を掲載するときは、使用したレートと換算日を明記しておくことが大切です。


1人当たりGDPと平均年収は同じ指標ではない

平均年収を説明する際、1人当たりGDPが使われることがありますが、両者は同じ指標ではありません。


1人当たりGDPは、国内で生み出された付加価値を人口で割った数値です。会社員が実際に受け取る給与の平均ではなく、子どもや働いていない人も人口に含まれます。


そのため、1人当たりGDPだけを見て「ミャンマー人の平均年収はこの金額」と判断するのは適切ではありません。


ミャンマーの平均年収を考える基準となる最低賃金


法定最低賃金の基本額は1日4,800チャット

ミャンマーの法定最低賃金の基本額は、8時間労働で1日4,800チャットです。時間額にすると600チャットとなります。


この基本額は2018年に設定されたもので、その後の物価上昇に対しては、最低賃金そのものの改定ではなく、追加手当を上乗せする方法が取られてきました。


追加手当を含む支給額は1日7,800チャット

ミャンマーでは、2023年10月、2024年8月、2025年10月に、それぞれ1日1,000チャットの追加手当が導入されました。


その結果、一定の事業者については、基本額4,800チャットに追加手当3,000チャットを加えた1日7,800チャットが実質的な最低水準となっています。ジェトロの報告でも、2025年10月からの日額1,000チャットの手当増額が紹介されています。


なお、追加手当は主に従業員10人以上の事業者を対象としており、小規模事業者などでは取扱いが異なる場合があります。


最低賃金を月収・年収に換算するといくらになる?

1日7,800チャットで月26日働くと仮定した場合、月収は20万2,800チャットです。12か月働いた場合の年収は243万3,600チャットとなります。


一方、基本額の1日4,800チャットだけで計算すると、月収は12万4,800チャット、年収は149万7,600チャットです。


いずれも賞与や残業代を含まない単純計算であり、実際の年収を示すものではありません。


実際の収入は勤務日数や残業時間によって異なる

日給制の場合、月の勤務日数が少なければ収入も減ります。繁忙期に残業や休日勤務が増える工場では、基本賃金より各種手当の占める割合が大きくなることもあります。


反対に、休業や仕事量の減少によって勤務日数が安定しない人もいます。最低賃金を年収へ換算するときは、毎月同じ日数を働けるとは限らない点に注意が必要です。


追加手当と基本賃金は分けて考える必要がある

1日7,800チャットは、法定最低賃金の基本額4,800チャットに、合計3,000チャットの追加手当を加えた金額です。


基本額そのものが7,800チャットへ改定されたわけではありません。適用される事業者の範囲や給与明細への記載方法を確認するためにも、基本賃金と追加手当は分けて把握したほうがよいでしょう。


最低賃金と平均年収を混同してはいけない

最低賃金は、使用者が下回ってはならない賃金水準です。多くの労働者が実際に受け取っている平均額を示すものではありません。


経験のある技術者や管理職、外国語を使う仕事では、最低賃金を大きく上回る給与が支払われます。ミャンマーの平均年収を推定するときに、最低賃金だけを12倍して考えるのは適切ではありません。


職種別に見るミャンマーの平均年収


民間の給与調査では、ミャンマーで働く人の多くが月収約32万~128万チャットの範囲に入るというデータもあります。ただし、オンライン調査は都市部や民間企業の回答者に偏りやすいため、参考値として見る必要があります。Paylabのミャンマー給与調査でも、職種や年齢によって給与に大きな差があることがわかります。


地域別では、企業や工場が集まるヤンゴンの給与が比較的高く、マンダレーが続く傾向にあります。地方都市や農村部では生活費が低い一方、正規雇用の求人が少なく、現金収入も低くなりやすいのが実情です。


工場作業員・製造職の平均年収

工場作業員や製造職の月収は、約35万~60万チャットが一つの目安です。年収にすると約420万~720万チャットとなります。


縫製、食品加工、機械操作など担当業務によって金額は異なり、残業代や皆勤手当、食事手当が収入に占める割合も小さくありません。ヤンゴン近郊の工業団地では、地方の工場より高い賃金が提示されることがあります。


販売・サービス職の平均年収

店舗スタッフ、飲食店従業員、ホテルスタッフなどの月収は、約30万~60万チャットが目安です。年収では約360万~720万チャットとなります。


接客経験に加え、英語、中国語、日本語などを話せる人は、観光業や外資系企業で高い給与を得られる可能性があります。


事務職・営業職の平均年収

一般事務や営業職の月収は、約50万~100万チャットが目安です。年収に換算すると約600万~1,200万チャットです。


会計、貿易実務、法人営業などの経験がある人は、一般事務より給与が高くなります。成果給や営業手当がある会社では、同じ職種でも年収に差が生じます。


エンジニア・IT人材の平均年収

エンジニアやIT人材の月収は、約80万~200万チャット以上になることがあります。年収の目安は約960万~2,400万チャットです。


ソフトウェア開発、ネットワーク管理、データ分析などの経験に加え、英語力や海外案件の経験がある人は、さらに高い給与を得る場合があります。海外企業のリモート業務を担当している人もいるため、勤務先による差が大きい職種です。


管理職・専門職の平均年収

部門責任者、財務担当者、医療職などの管理職・専門職では、月収120万~300万チャット以上になることがあります。年収では1,440万~3,600万チャット以上です。


もっとも、役職名が同じでも、企業規模や部下の人数、求められる資格によって給与は変わります。平均額だけで人材の市場価値を判断するのは難しいでしょう。


日系・外資系企業と現地企業の給与差

日系企業や外資系企業は、現地企業より高い給与を提示する傾向があります。外国語能力や本社との調整、国際的な会計・品質基準への対応が求められるためです。


一方、現地企業には食事や通勤手段、住居などを現物で支給するケースがあります。基本給だけでなく、手当や福利厚生を含めて比較することが大切です。


ミャンマーと日本の平均年収を比較


名目上の平均年収は日本のほうが高い

国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、日本で1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は約478万円です。ミャンマーの目安とされる約30万~50万円と比べると、名目上の差は大きくなります。詳しい集計は国税庁の調査結果で確認できます。


ただし、調査対象や物価、税制が異なるため、金額だけで暮らしやすさを比べることはできません。


日本では税金・社会保険料などが給与から控除される

日本で提示される月給は、通常、税金や社会保険料を差し引く前の総支給額です。所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などが給与から控除されます。


ミャンマー人材へ給与を説明するときは、額面だけでなく、おおよその手取り額も伝える必要があります。


日本での生活費を差し引いた手取り額で考える

日本の給与がミャンマーより高くても、家賃、食費、光熱費、通信費などの生活費も高くなります。


とくに会社が用意する住居の家賃や備品代を給与から控除する場合は、金額と計算方法の説明が欠かせません。本人が自由に使える金額と、毎月送金できる金額を分けて示すと、来日後の認識違いを防げます。


収入の安定や家族への送金が日本で働く目的になる

日本で働く目的として、安定した収入や家族への送金を挙げるミャンマー人は少なくありません。


ただし、本人が想定している送金額が、税金や生活費を考慮していない場合もあります。採用面接では希望額だけを聞くのではなく、日本で必要になる費用も説明したうえで、無理のない生活設計を一緒に確認しましょう。


技術の習得や将来のキャリアも来日の理由となる

収入だけでなく、専門技術や日本語を身に付けることを目的に来日する人もいます。日本での経験を生かして昇進したい、帰国後に事業を始めたいと考える人もいるでしょう。


給与とあわせて、習得できる技能や将来のキャリアを伝えることが、入社後の意欲や定着につながります。


ミャンマーの平均年収を採用条件の基準にしてよい?


ミャンマーの給与水準を理由に賃金を低く設定してはいけない

「ミャンマーでは年収が低いから、日本人より安く雇用できる」と考えるのは適切ではありません。


日本で働く人には、日本の労働関係法令が適用されます。国籍だけを理由に、同じ仕事をする日本人より著しく低い給与を設定すれば、法令や在留資格の基準に抵触する可能性があります。


日本国内で働く場合は日本の最低賃金が適用される

日本国内で雇用される外国人にも、最低賃金法が適用されます。本人が低い賃金に同意していたとしても、勤務先の都道府県別最低賃金を下回る契約はできません。


最低賃金は改定されるため、採用時だけでなく、毎年確認する必要があります。最新額は厚生労働省の地域別最低賃金一覧で確認できます。


特定技能では日本人と同等以上の報酬が必要になる

特定技能外国人の報酬額は、同じ業務に従事する日本人と同等以上でなければなりません。出入国在留管理庁の特定技能制度に関するQ&Aでも、この基準が示されています。


比較対象となる日本人がいない場合は、地域や業界の賃金水準、職務内容、経験などを踏まえて報酬を決めます。最低賃金を上回っているだけで、必ず要件を満たすとは限りません。


基本給・残業代・控除額を母国語で説明する

雇用条件を説明するときは、基本給、各種手当、残業代、賞与、控除額を分けて示します。月収の見込みだけを伝えると、固定給と残業代を混同されるおそれがあります。


ミャンマー語の労働条件通知書や通訳を用意し、本人が理解したことを確認してから契約を結びましょう。


求人票と実際の仕事内容・賃金を一致させる

求人票には高い給与を記載し、入社後に手当を減らしたり、別の仕事を担当させたりしてはいけません。


とくに海外から採用する場合、本人は求人票や送出機関の説明をもとに来日を決断します。説明と実態の差は、不満や早期離職につながるため、変更がある場合は契約前に伝える必要があります。


昇給基準やキャリアアップの道筋を明確にする

採用時の給与だけでなく、どのような技能を身に付ければ昇給できるのかを説明することも大切です。


日本語能力、資格取得、担当できる業務、勤続年数など、評価基準を具体的に示しましょう。将来の役割や給与の見通しがわかれば、本人も目標を持って働きやすくなります。


特定技能外国人の採用前に|受け入れ適性診断で準備状況を確認

ミャンマーの給与水準を上回る賃金を提示したからといって、人材が必ず定着するとは限りません。失踪や早期離職のリスクを抑えるには、適正な賃金設定に加え、採用前から受け入れ体制を整えておく必要があります。


特に確認したいのが、基本給・残業代・控除額の説明方法、相談窓口、住居を含む生活支援、登録支援機関との役割分担です。これらが曖昧なまま採用すると、本人との認識のずれや支援漏れが生じ、入社後に現場の負担が増える可能性があります。


「特定技能人材の受け入れ適性診断」では、11項目の質問に答えるだけで、自社の準備状況を確認できます。採用前に見直したい項目や、受け入れ後に起こりやすい課題、注意すべきリスクを整理できるため、初めてミャンマー人材を採用する企業にもおすすめです。


診断は約1分で完了し、回答後すぐに結果を確認できます。採用条件を決める際は、給与額だけでなく、現在の受け入れ体制もあわせてチェックしてみてください。



ミャンマーの平均年収は出典と換算時点を確認して判断しよう

ミャンマーの平均年収は、日本円で約30万~50万円が一つの目安です。ただし、全国一律の最新公的統計ではなく、都市部の民間企業における給与調査などをもとにした概算である点に注意が必要です。


実際の給与は、職種、経験、勤務地、企業規模によって大きく異なります。さらに、チャットから日本円へ換算すると、採用した為替レートによって金額が変わります。平均年収を比較するときは、調査年、対象者、月収に含まれる手当、換算日を確認しましょう。


また、ミャンマーの給与水準は、日本での採用賃金を低く設定する根拠にはなりません。日本の最低賃金や在留資格の基準を守り、仕事内容と経験に見合った報酬を設定することが、安心して働ける職場づくりと長期的な定着につながります。

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